Twintail Gallery

Chapter of Return of ULTRAMAN ~TWINTAIL~

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古代怪獣 ツインテール

第5話 『二大怪獣東京を襲撃』
第6話 『決戦!怪獣対マット』より 古代怪獣 ツインテール
KOMORI PROJECT第8弾

そう言えばと思い出し、昔書いたツインテールの解説文を読み返してみました。そこには『上海雑技団の公演をテレビで観ていた時――』という一文から始まる、興味深い書き出しがありました。
『顔を下に、足を上に、身体はエビのように反り返り、二本の足を頭の上でブラブラさせている団員が登場した。驚くべき柔軟な身体とバランス能力で、皿を回したり椅子を回したりと妙技を披露していた。だが僕の意識は芸の方よりも摩訶不思議な身体のシルエットに惹きつけられた。(この姿はどこかで見た事がある……)それはまさにツインテールそのものだったのである』
自分で書いたものながら、確かに言い得て妙です。ツインテールのデザインは池谷仙克氏の手によるもの。案外、池谷さんも雑技団を何かの拍子で目にして、そこからアンバランスな姿を描いていったのかもしれない――などという想像が浮かびました。ですが、グドンに続いて造型を担当した竹添展氏はそれだけでは終わりませんでした。ツインテールに更なる「しなり」と「ひねり」を加えたのです。身体は大きく前方へと九の字に折れ曲がり、上半身と下半身はまるで雑巾を絞ったかのように左右に捩じれています。ただでさえ異彩を放つシルエットが、竹添くんの手によって圧倒的な躍動感を得たのです。それはまるで取れたて、活きの良いエビです。しかもですよ、このツインテールは前回の暴れ狂うグドンと完璧な対をなすように造型されています。ひとたびグドンの視線の先に置いたなら、そこには生死を賭けた激闘が浮かび上がってくるのです。これはもうドラマですよ。

彩色に関してはそれほど悩むことはありませんでした。いつものようにエアブラシでフラットブラックを凹の深い部分に向けて塗り込みます。その後、レッドブラウンやサンドイエローを何回かに分けて上乗せし、同時に細かい部分に筆を入れていきます。特に顔の周りは納得がいくまで描き込みを続けました。背中の緑も深い色、少し明るめの色、黄色や茶色もアクセントで使いました。身体の正面にある赤茶色の模様は筆塗りした後、薄くサンドイエローを吹いて周辺の皮膚と馴染ませていきました。足元から下半身にかけては埃が付着して白っぽくなったような感じを出しています。この辺りは制作される方の好みでいかようにも表現してください。

これまで名立たるメーカーや原型師さんがグドンとツインテールを造られてきました。それはこの二大怪獣の戦いが強く心に残っているという証拠です。今回、コモリプロジェクトで新たなシーンを造ることにチャレンジし、大勢の皆さんに受け入れられたこと、心から幸せに思います。

全高 パーツ数 材質 付属品 原型師
370mm
(角の先端まで)
15点 ウレタン樹脂 なし 竹添 展