透明怪獣 ネロンガ
栄えあるプロジェクトの第1弾を飾るのはネロンガとなりました。理由は二つあります。一つは地を這うような四つ足ポーズが大好物だからです。やるなら二本足の立ち姿よりもこっちの方だと決めておりました。もう一つはバラゴンから始まった地底怪獣の系譜です。その中でもネロンガは別格に好きなのです。
原型はT‘sFactoの山脇隆氏に依頼しました。山脇氏の原型師としてキャリアや辣腕は今更言うまでもありません。僕も沢山の造形物を持っていますし、ホームページにて完成させた作品を紹介しています。山脇さんの優れている部分は多々ありますが、特筆すべきは体表の処理ではないでしょうか。触ると指に穴が開いたり、切れるんじゃないかと心配になったりするほどの鋭いモールドが施されています。このネロンガにも山脇モールドは全開です。むしろ、これまでの作品よりも更に凄まじいと思えるほどです。
打ち合わせに関して決めた事は一つだけ、背びれの処理でした。先にも挙げましたが、ネロンガはバラゴンから始まる改造怪獣です。ゆえに背中の突起物がどうしても後からくっつけた感満載で、全体のフォルムからは浮いてしまっているようにみえます。どうせなら生物特有の流れるような背びれにしたいと思いました。しかも、ネロンガのデザインを損なうことなく、あくまでも自然なものであるように。こんな無理難題に山脇さんは見事応えてくれました。まさか、ゴジラを思わせる背びれになろうとは……!
このセンス、流石というしかありません。
塗装はというと……大変でした。せっかくの原型を台無しにするワケにはいきませんからね。頭の中で何度もシミュレーションを繰り返し、重ねる色を決めていきました。皮膚の一番深い部分、ベース色に選んだのは茶色です。ここから暗い色を重ねていきました。モールドが深いからベースの茶色がしっかりと残り、ともすると血管のようにも見えます。背中は黄色をベースにしつつも、茶色で陰影をしっかりとつけていきました。
身体とは逆のやり方ですね。いつも思いますが、黄色は扱いが難しい。体色に馴染むようにオレンジや眩めの茶色などを使って試行錯誤しています。背びれと体表の境には溶岩が垂れているような茶色の縁取りを入れています。これは成田さんのデザイン画にあるイメージから汲み取りました。個人的にはこのネロンガにピタリとハマったと自画自賛しております。
紹介動画
全長 | 重量 | パーツ数 | 付属品 | 原型師 |
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530mm | 2800g | 14点 | なし | 山脇 隆 |