diary.79 新たなる光

先頃、友人に教えられてライトボックスなるものを購入しました。つまりは簡易のスタジオみたいなもので、組み立てると四角い箱になります。天井にはLEDの照明、内側はアルミ張りで光を反射し、折り畳み式ですので使い終わったらすぐに仕舞える優れもの。それに、背景に使うバック紙として、黒・白・オレンジの三色の不織布が備えられているのもポイントが高いです。

これまでキットを撮影する時は仕事場に備え付けられたベージュ色のロールカーテンを背景として使っていました。でも、十四~五年も経つとそりゃ汚れも目立つようになります。それに、元々ベージュは背景としては馴染みがよくありません。キットの輪郭はぼやけるし、何より全体のトーンが黄色くなるのが辛い。

ものは試しと早速キットを引っ張り出してスマホで撮ってみました。使ったのは情報量の多い30cmサイズではなく、平均が17cmというボークスJr.のキットです。当然ながら見栄えという点では大きなキットに劣ります。ですが、いかがでしょうか。撮影したこの画像、特に加工とかしてないんですよ。なんだか存在感が倍増したというか、魅力が高まったというか、自分でもちょっと驚きました。

ただね、こうなると反面、粗も目立ちます。中には作って三十年近くになるものもありますし、画像に寄っていくと目玉の形が歪んでいたり、歯の塗りが雑だったり、色剥げしていたりといろんな気になる部分が見えてきます。だからこれも買いました。拡大鏡。サンバイザーみたいに頭に被って使うんですが、ライトを当てて手元を拡大すると……これまで見えていなかった世界がくっきりはっきりと見えてきました。これでもう老眼とはおさらばですが、同時に(見えないから)という言い訳も通用しなくなりました。早速、勢いに任せて目の前にあったキットの表情に筆を入れました。どんどんよくなるから時間を忘れて熱中しました。

あぁ、僕は一体いつまでこれをやるんだろうと思いつつ、同時に武者震いが抑えられないのであります……苦笑