ずっと気になっていたことがある。ボークスJr.のドラコの羽だ。タイプⅠが発売されてそろそろ四十年近いというのに、タイプⅡ、Ⅲもそれなりの年月が経っているというのに、いまだ頭を悩ましている。
タイプⅠの羽は透明パーツなのだが、買った時から黄変していた。タイプⅡとⅢは最初からレジンパーツだ。ドラコは羽が命なのに、これではどれを取っても美しさは表現出来ない。だから、ずっとクリアパーツに抜き直せないかと考えてきた。
僕には困った時に頼れる友人が多々いる。その中の一人、田中一成ことkazさんに羽のクリアー化を依頼した。当然ながらムチャ振りである。kazさんはこれまで幾度となく僕のムチャ振りを聞いてくれた。今回もまた「やれるかどうかは分かりませんが」と前置きした上で引き受けてくれた。
訊けばこれほど大きなパーツのクリアレジン化は経験がないそう。シリコン型を造って、硬化が遅いクリアレジンを抜くのはかなり大変なことなのだそうだ。僕の依頼に『シロウトの無知ほど怖いものはない』と思ったことだろう。
果たして結果はご覧の通り。どれも綺麗にクリアパーツ化されている。積年の願いがついに叶ったのだ。これはもう綺麗に羽を塗り上げてkazさんの苦労に報いると同時に、ボークスJr.という文化遺産を引き継いでいきたいと思っている。