diary.11 海の人

先日のこと。疲れて果て、仕事場のソファに寝転んだんです。見るともなく棚の方に  
視線を向けると、この方とバッチリ目が合いました。もうね、完全に呼ばれましたよ……(苦笑)
というワケで海底原人ラゴン、完成です。

めちゃくちゃスリムでスタイル抜群です。顔は小さい、手足は長い、完全なモデル体型ですね。マイケル・ジャクソンを思い出しますが、このラゴンは女子。「映像研には手を出すな」の金森氏って言ったら怒られるかな。

キットはマーメイド、原型は大石透氏の手によるもの。初版は1986年発売だそうです。今回、僕が制作したものはアトラゴン宮崎氏が2000年に復刻したもの。それでも21年前なんですね。資料も少なかっただろう時代に、これだけの造型物が誕生しておりました。いや、それだけではなく、このラゴンに使用されたレジンは常圧の流し込みでも気泡が入り難くする為の特殊ブレンドを、アメリカのケミカルメーカーに発注して生産したものなんだそうです。レジンにも様々な試行錯誤があったんですね~。そんな想い出を怪物屋の吉尾氏がさらりと教えてくれました。 

彩色は深い海の底をイメージして濃い青から入りました。そこから緑を重ね、黄色や茶色をまぶしました。ラゴンの特徴であるヒレはクリアーを何層も塗って滑りを狙いました。

どんなに忙しくても趣味はやるべきですね。気力やアイディア、生きている実感が湧いてきます。