仮組みしていったい何年経ったのかって話です。タイトルやパーツ数、原型師さんの名前しか書いていない解説記事のひな型も、以前の保存が2007年になっていました。「オギャー」と産まれた子がセブンティーンに……。兎に角、それくらい長く放ったらかしにしていたワケです。理由はただ一つ、頭の模様が面倒だから。これに尽きます。変化が訪れたのは去年、コモリプロジェクトで森下要さんのガッツ星人を復刻したことです。その際、頭部の模様を高山良策さんのデザイン画を基に、高山工房で完成した着ぐるみを再現してみるというアプローチをとりました。その方法はデカールシールを使うことです。球体の頭部に貼るのはかなり難易度が高いですが、巧くいけば素晴らしい再現性が得られます。事実、トライされた方や完成品を見られた方からは大きな反響をいただきました。実は復刻版のガッツ星人のボディを塗る際、長らく戸棚の中に仕舞い込んでいたボークスJr.のガッツ星人を取り出して一緒に作業を進めることにしました。サイズは違えど、やることはまったく同じですからね。頭部のデカールシールはJr.のサイズに合うよう縮小しました。小さくなった分、作業は更に難易度が上がりましたがなんとかクリアしました。十七年という時間は自分の技術の向上、マテリアルの進化、こういうところを待つ必要があったということなのでしょうね。
原型は言わずと知れた圓句昭浩氏、現在もボークスで作品を造り続けられています。近年、何度かお会いする機会があり、仙人のような風貌で変わらぬ創作意欲に大いに刺激を受けています。彩色はコモリプロジェクトのものとまったく同じです。基本色はホワイトとグレーとブラック。緑の部分はメタリックグリーン、黒の部分はベースにシルバーを塗り、その上からタミヤのエナメル、アイアンゴールドを乗せて拭き取っています。赤い腕の部分はあずき色をベースにして、その上にクリアーオレンジやブラウンを重ねて変化をもたせました。頭部の模様はデカールシールを貼りつけ、隙間が空いた部分には細筆にブラックを付けて描き込みました。難儀なのはデカールを貼った後に折角のガイドラインが見え難くなること。何度も目を皿のようにして、黄色いラインを少しずつ描き込んでいきました。
同サイズで分身するのがガッツ星人たる所以ですが、こちらは大と小です。劇中でも身体のサイズを自在に変化させていますので、分身だけでなく体型だってコントロール出来る最強の宇宙人を表現出来たのではないかと思っています(笑)
全高 |
パーツ数 |
材質 |
付属品 |
175mm |
4点 |
ウレタン樹脂 |
なし |
原型製作 |
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圓句 昭浩 |
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