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痛快娯楽劇場
宇宙怪獣 エレキング
Chapter of ULTRASEVEN 〜ELEKING〜
第3話 『湖のひみつ』より 宇宙怪獣 エレキング
 
まぁデカい。唖然とするくらいデカい。圧倒されるくらい、ほんとにデカい。でも、最高にカッコいい……。ワンフェス会場で一目見た瞬間から目も心も奪われた。それくらい際立った存在感を放っていた。手に入れなければ確実に後悔すると思った。だが、それ以上に熱くなったのは、「まだこんな化け物キットにお目に掛かれるのか……!」という感動だった。GKファンになって数十年が経つが、血沸き肉躍るような造形物はもう出ないだろうとどこかで冷めていた。そこにガツン!と鉄槌を打ち込まれたような気がした。造型したのは橋本智氏だ。ベテラン中のベテランであり、今も尚、トップを走り続ける稀有な存在である。こんな桁違いのキットを造れるのはもう橋本さんくらいしかいない。お金のこと、型抜きのこと、その他もろもろを差し置いて、自分はこんなエレキングが造りたいという衝動を全面から感じる。だからこそこちらの心も激しく揺さぶられるのだ。
 これだけ巨大だから制作は困難を極めた。尻尾なんてちょっとした自然薯だ。胴体と尻尾は繋げると取り回しが大変になるので、別々に作業を進めることにする。さて、エレキングの体色だが最初はクリーム色をしている。しかし、撮影が進むにつれて段々と汚れが増し、黄ばんでいく。僕の中には白いエレキングがイメージとして残っているので、なるべくそちら寄りに進めることにする。全身をエナメルの白で塗り、マーブル模様の黒はすべて筆塗り。その後、アクリルの黒を薄く墨入れしたり、筆を使って薄く茶色や灰色を加えて陰影を足していく。背中の斑点は筆とペンで描いた。三種類の大きさになるよう意識し、青と黒をひたすら描きまくる。青は頭のアンテナの付け根にある輪っかと同じ色を使った。角度もそうだ。斑点は背中の中央を通っておらず、随分と右に寄って流れている。流石は高山良策さん、実に生物的な表現だと思う。こういうところが長く愛されている理由だと思う。一にも二にもエレキングの制作はひたすら忍耐だ。これに尽きる。決して簡単にはいかない。誰がやってもそうだと思う。コツコツと続けること。エレキングと相対していると、生きていく上で大事なことを学ばせてくれる。









全高 重量 パーツ数 材質
400mm
(アンテナの位置まで)
3200g 20点
(口はクリアパーツ)
ウレタン樹脂
付属品 原型製作    
なし 橋本 智