トップページ > ウルトラセブン > ガンダー

凍結怪獣 ガンダー
Chapter of ULTRASEVEN 〜GANDER〜
第25話 『零下140度の対決』より 凍結怪獣 ガンダー
怪獣無法地帯 THE MONSTER CLASSICS NO.12
 
ウルトラ警備隊極東基地をマイナス140度の冷凍光線で氷漬けにして機能不全に陥れた、恐るべき宇宙怪獣。とはいえ、顔はどことなくひょうきんであり、飛び出した目やがまぐちのような大きな口は愛嬌がある。大きく肩の張り出した上半身は、おそらく裃あたりがヒントだろう。この特異なセンスが成田亨であり、高山良作なのは言うまでもない。
造型は怪無の村田氏だ。放射状に入ったライン、蛇腹の手足、胸の突起はメタルパーツで再現するといった手の入れ様で、ガンダーの魅力を最大限に引き出している。製作は塗装に入るまでに結構な手間が掛かった。胸のメタルパーツを取りつける際、ピンバイスで一つ一つ穴を開けていかねばならない。老眼を抱えるこの身には、かなり難儀な作業である……。また、パーティングが極めて顕著に入っており、このラインを削り落とすと、折角の美しい放射状のラインが潰れてしまう。消して、掘って、消して、掘ってを延々と繰り返す。手を抜くと目立つので、これはどんなに面倒でも立ち向かわねばならない。塗装は魔術師kaz氏に依頼した。普段は人に仕上げを任せることはないのだが、あるプロジェクトの進行により、自分だけの力では間に合わなくなったのだ。kaz氏の塗装には絶対の信頼を置いている。なんせ、わざわざ宝塚の工房に見に行ったくらいだから(笑)これを機会にkaz氏のテクニックを目の当たりにすることができるのも、今後の製作に確実にプラスに働くと考えた。そういう訳で塗装の細かいレシピは分からない。じっくりと眺めて色を読み取っていくと、一見単調なグレーでまとめられた体色の内側に、赤や青や黄色が仄かに透けて見える。まるで隠し味とでもいわんばかりだ。爪も歯も驚くほど丁寧に塗装されている。象牙色とはこういうものだというお手本だ。調整も見事だ。身体は艶消し、爪や歯は半光沢、青い瞳の目は光沢と、きちんと三段階に分けられている。何より驚かされるのが、これだけの手間をあっという間にやってしまうこと。頭の中にきちんとプランが出来ていなければ、このスピードは絶対に出ない。これぞプロの仕事である。







全高 重量 全パーツ数 材質
335mm 1500g(台座込み) 11点 ウレタン樹脂
付属品 原型製作    
メタルパーツ 村田 幸徳