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再生怪獣 ギエロン星獣
第26話 『超兵器R1号』より 再生怪獣 ギエロン星獣
VOLKS ORIENT HERO SERIES NO:037
 


原型師、高垣利信氏が学生時代最後に放った渾身の逸品は、今も尚、多くの人の心を捉えて離さない。名作の誉高い、OHギエロン星獣がこれである。とはいえ、製作は難儀した……。塗り分けもそんな必要じゃないし、もっとあっさり出来るモノとタカをくくっていたが、名作はそう簡単には正体を見せてはくれなかった。
まず、ずっしりと重い……。レジンの塊、手首を壊しても構わないというこの分厚い重みこそ、ガレージキットならではである。(笑)しかも、持ち難い。お腹を持つと反り返った羽根が当たって痛いし、下半身を持つとツルツルと滑る。なかなかの曲者振りだ。そこに色彩のバランスが加わる。ギエロンのデザインは生物と無機物の融合だ。鷲を思わせる猛禽類のシルエットの中に、頭と羽根の一部には金属板のようなプレートがある。両者のバランスが崩れると、途端におもちゃに見えてしまう……。
上半身を青寄りで、下半身を緑寄りで、金属プレートはゴールド、シルバーを使いつつも、ブラウン系で色を抑え気味に。最後に全体の調和を取るよう、土埃っぽい表現を目指してアクリルで墨入れをおこなった。プレート部分の表現は今回の一つのキモだと思っていたので、べこべこした安物のトタンが光を浴びた時に乱反射するイメージを狙って塗り込んだ。FBに完成写真を載せた時、多くの方からプレートの表現に関してお褒めの言葉をいただいた。きっと、皆さんもギエロンのプレートには似たようなイメージをお持ちだったのだろう。
ただ、いくら老眼鏡のパワーを得たとはいえ、このサイズではギエロンの星型の瞳は表現できなかった。ここは後進に期待するとしよう。

実に歯応えのある作品だった。高垣さんにはまたいつか、こんな素晴らしい作品を作って貰いたい。その日を楽しみに待ちたいと思う。





全高 重量 パーツ数 原型製作
310mm 1720g 10点 高垣 利信