数あるウルトラ怪獣の中に於いて、正座した形態というのは珍しい。ざっと振り返ってみてもアイロス星人、ヤドカリンなど数えるほどしか浮かばない。正座は当然動きが制限される。どうしても格闘戦には向かない。このギラドラスもウルトラセブンと闘っているというより、わざわざセブンが絡みに行ってあげているといった感じだった。だがそこはウルトラのスタッフ達、ただじゃぁ転ばない。動けないなら他の方法で特徴付けをしてやろう。――と思ったかどうかは分からないが、そこに鎮座しながらにして天候を自在に操れるという特殊能力を授けている。空が俄かに掻き曇り、嵐を巻き起こし、寒さが弱点のセブンに猛吹雪を容赦なく浴びせるのだ。う〜ん、さすがである。
さて、そんなギラドラスを30cmサイズで造型したのが森下要氏。ぺしゃんこに潰れた胴体、全身を埋め尽くす無数のウロコ、そしてもう一つの特徴的な上目使いの顔も完璧に再現されている。作っていて兎に角面白かった。さらに、顔に付いた四つの突起と背中のヒレ、これは劇中でふわりふわりと輝くのだが、これも透明パーツ使用で劇中の雰囲気を再現出来る様になっている。ふと突起を見ていて思ったのだが、これって何かに似ている。そう、エヴァンゲリオンだ。ウルトラ好きの庵野さんの事、ギラドラスからデザインのヒントを得ていたとしても不思議じゃない。
塗装レシピはベースをタイヤブラックで、そこから様々なグレーを使って明度を上げていき、ブラウンで墨入れをおこなった。クリアパーツはベースにクリアベースを塗って、クリアレッド、クリアオレンジ、オレンジ、マルーンなどを混ぜ合わせながら、最後にグレーでタッチを付けた。巨大な咆哮が聞こえてきそうな見事な造型になっている。
全高 |
重量 |
材質 |
原型製作 |
220mm |
2.6kg |
ウレタン樹脂 |
森下 要 |
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