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第3話 『湖のひみつ』 第25話 『零下140度の対決』より カプセル怪獣 ミクラス
怪獣無法地帯 Monster Classics NO:19
 


ミクラス――。ウルトラセブンが変身不能な時、代りに怪獣に立ち向かうカプセル怪獣。猪突猛進のブルファイターであり、頼もしい味方であり、愛すべき愛嬌を持ち合わせた存在。目下連載中の「S 最後の警官」、主人公である神御蔵一號はこのミクラスからキャラ性を貰った。もちろん、彼のかつてのリングネームもそのまま「ミクラス」だ。だからミクラスには強い思い入れがある。原型はこの人、村田幸徳氏。これまでに何度も書いたが、川岸氏と並んで大好きな原型師の一人だ。この頃の作品群はまるでキラ星のごとき傑作が溢れている。このミクラスもポージングといい、バランスといい、細部の質感といい文句の付けようがない。どの角度から見ても上記した通りの「勢い」と「頼もしさ」と「愛くるしさ」が共存している。間違いなく村田氏の放った傑作の一つだと思う。
塗装はかなり歯応えがあった。四日も掛かったのは久し振りだ。全体は一見茶色なのだが、良く見るとその中に色んな茶色が混じっている。そして、緑や黒や黄土色といったアクセントもある。塗って、墨入れして、トップコート、そしてまた塗っての繰り返し。ベースを整えるまでに一日半掛かった。もちろん、悩んで何度もやり直していたせいもあるのだが……。身体を乾かしている間に角を塗る。角もまた資料によって色合いが違うので難儀した。DVDを見て確認してもどんどん汚れてくるし、最後までよく分からなかった。そして、立てに生えた睫毛だ。これはいらなくなった筆をカッターで切り、根元を瞬間接着剤で固めて、それをキットに植え込んだ。それなりに雰囲気は出たんじゃないかと思っている。
このミクラス、頂き物だ。サフ吹きまでされていたものを、「多分もう作らないから」と言ってプレゼントして貰った。定価で2万円以上するものであり、プレミア価格で言えば更に高い。こんな棚からぼた餅のようなキットはいつも以上にきちんと作らないと、バチが当たりそうでコワイ。いつも以上に気合が入ったのはその所為かも知れない。



全高 重量 材質 原型製作
285mm 1600g ウレタン樹脂 村田 幸徳