時計塔の文字盤が外れ、そのまま歯車が剥き出しなったかのような顔、シオマネキのように左右極端に大きさの違う手、腹部はまんまん開閉式のシャッターで、巨大な上半身に比べてなんとも貧弱な足………。スマートなロボットを見慣れている昨今の子供達の目には、クレージーゴンはいかにも無骨で不細工に映るだろう。だが、これが味という妙味だ。「鉄人28号」や「ジャイアント・ロボ」は決して「ガンダム」に見劣りしない。むしろ別次元のカッコよさがそこに見て取れる。このクレージーゴンもまさにそういう系譜、いい出汁が出ていてなんとも惹かれる味わいがある。
原型を作ったのは藤田氏、Jr.ワールドにおいてジェットビートルやべルシダーなど、超兵器の原型を数多く担当したメカのスペシャリストである。当然このクレージーゴンも細部までこだわりが行き届き、そのこだわりは極最小パーツだけに留まらず、パーツ接着の際、角度の指定まで行なうと言った徹底振りとなって現れている。塗装は質感を強く意識してみた。ベースにダークブラウンを吹き、様々なブラウン系を駆使してドライブラシを試みた。錆びや剥げ、雨だれなどクレージーゴンが新品ではなく永年使われてきた感じを出す為、カッパー、ゴールド、シルバーと金属感の出る塗料を混ぜ合わせ、時に強く吹きつけながら塗装してみた。メカものの塗装は始めての経験だったので、工夫しながら実に面白く向き合えた。
全高 |
全長 |
重量 |
原型師 |
155mm |
165mm |
295g |
藤田 伸二 |
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