チブル、沖縄の方言で「頭」という意味があるそうだ。チブル星人はその名の通り、全身のほとんどが脳という恐るべき知能を持った侵略者である。そんな極めて個性的な形状をしたチブル星人の後頭部を見たのは、キットを作成したこの時が初めてだった。なぜなら劇中でチブル星人の後姿は登場しない。あっという間に出て来てあっという間にやられてしまう。倒され方にしても後姿が見えないのも、クール星人によく似たパターンだった。よってこのキットを手にした時、真っ先に見たのが後姿、正面よりもさらに激しく複雑な凹凸面が展開した後頭部にしばし見入ってしまったものだ。あらゆる資料を元にして導き出された一つの回答、熱意と探求心と造形力を併せ持った原型師、村田氏だからこそ出来た作品だと思う。
塗装はシルバーを基調とした。ベースにグレー、そこからシルバーを全体に足して肉質と金属質という相反する質感が滲み出るように意識してみた。足(もしくは手?)はブラックをベースにブラウンやグレーでドライブラシ、バラのような棘は暗めのレッドを添え、唇は思わず触れたくなるようなピンクで仕上げてみた。想像以上に苦労したのが頭の凹みにある黒い縁、これはすべてブラックで筆塗りをした。ただでさえ形状が複雑なところに、縁の幅は常に一定を保たなければいけない。何度チブル(頭)を上下逆さまにした事か………。これからチブル星人にチャレンジしようという方、この縁だけは簡単な方法がないので苦労しますよ………。
全高 |
全長 |
重量 |
原型師 |
150mm |
50mm |
120g |
村田 幸徳 |
|