「明日を捜せ」、なんといいタイトルだろう。明日を捜せ………、何者かに命を狙われている占い師・安井の言葉を信じて、キリヤマ隊長は単身明日を捜し始める………。子供の頃には分からなかった隊長の気持ち、今はとてもよく分かる。上原さん、僕はこの物語がとても好きです。今度お会いした時には「明日を捜せ」のお話を伺ってみたい。
子供の頃、怪獣図鑑で見たガブラの印象は「ライオン」………ではなく「オバサン」、だった。白っぽい髪を振り乱し、ノコギリのような歯を剥き出しにしている鬼神のようなその姿、絵本やかるたやアニメで見た「山姥(ヤマンバ)みたいだ………」、そう感じたものだ。とは言えガブラ、ウルトラセブンにおいては数少ない怪獣の1体である。
ガブラの原型は村田氏、首から尻尾の先へと続くうねるような芋虫ライン、首周りのたてがみ、目玉はフェイクで実は鼻の位置にあるという摩訶不思議なデザインを卒なく見事に表現している。劇中、ガブラはアイスラッガーで首を切断される。しかし頭部はシャドー星人から遠隔操縦され、油断したセブンの肩にガブリと噛み付く。なんとこのキット、切断された首の断面までもが造形されているのだ。だが、リアルに塗ると気持ちが悪くなりそうなのであっさりと接着してしまった………。村田さん、ごめんなさい………。
ベースにはマホガニーを使った。墨入れを行った後、全身をゴールドで軽くブラッシング。その後でゴールド3、シルバー7くらいの配分で二つを混ぜ合わせ、軽く馴染むようにドライブラシを行った。塗装で大変だったのは細長い手だ。よく見ると細かい斑紋のような模様が描かれている。ここは今回のこだわりどころだと踏んだので、筆を使って少しずつ色を描き込んでいった。思いのほか目の疲れる作業だった………。
全高 |
全長 |
重量 |
原型 |
100mm |
280mm |
250g |
村田 幸徳 |
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