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第11話 『魔の山へ飛べ』より 宇宙野人 ワイルド星人
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:119
 

薄暗い洞窟の中をマシンガンを構えたソガ隊員が進んで行く。その前に突如姿を現すワイルド星人。撃たないでくれ、地球を侵略などしないと懇願しつつも、老衰した同胞の為に地球人の若い命を貰うと勝手な宣告をする。断固断るソガ隊員に怪光線を浴びせ、ついには地底に潜ませていたナースを呼び出すのだ。

原型を担当した杉本氏もインストに触れているように、ワイルド星人の扱いは不当なものがあった。怪獣図鑑には写真ではなく画が掲載される事がほとんど、運よく写真であってもそこには劇中に登場したものとは明らかに違う、アトラクション用の目が窪んだ気味の悪い星人が紹介されていた。だから今回、キット製作に当る意気込みは相当強いものがあった。「これがワイルド星人だ!」と言わんばかりのものを作り上げようと心に決めていた。塗装に入る前に正座するくらいの勢いでDVDを観直す。洞窟の中に進入したウルトラ警備隊、やがてその前に姿を現したものは………青白い顔に青紫の唇、全身毛に包まれた着ぐるみを身に付けたおじさんだった………。あぁ………、なんてワイルド………。
塗装は軍艦色をベースにしてエナメルのブラックを薄く墨入れした。そこからグレー系を使って明度を上げていった。顔は決してわざとこんな風に塗ったんじゃない。DVDをじっくり観ると、その目は充血しているように見えるのだ。本体の塗装は単色なので基本的に難しくはない。手間がかかったのはむしろ生命カメラの方である。生命カメラのスコープと上下にある細い棒、これがグニャリと折れ曲がって変形していた。何度かお湯に浸してスコープは延ばせたが、細い棒は中々ストレートには戻らない。仕方がないから真鍮線に取り替えた。
生命を吸い取る銃型のカメラを振り上げたワイルド星人。杉本氏がこのカメラを持たせた意味がわかるような気がする。これがなくて単体だったらかなりツライ………。


全高 全長 重量 原型
160mm 50mm 170g 杉本 浩二