金色に輝く箱型の宇宙船が地球に飛来した。ウルトラホーク1号と3号が連携攻撃を開始する。ミサイルの雨を浴びせる1号と3号。しかし、宇宙船からはなんの反撃もしてこない。「変だな……。中には誰も乗っていないんじゃないですか?」フルハシ隊員がキリヤマ隊長に言う。着陸した宇宙船を地上から攻撃する為に二手に別れるウルトラ警備隊。その眼前で突如宇宙船のハッチが開く。四つん這いになった赤い塊。双頭怪獣パンドンが咆哮を上げてゆっくりと立ち上がった―――
双頭、読んで字の如く二つの頭である。しかし、我々が知るパンドンには頭は一つしかない。二つあるのは口である。だが、双頭のパンドンはいた。ハゲワシのように鋭い眼と大きな嘴を持った頭が二つ、赤い身体の上に並んでいる。池谷氏の描いたデザイン画通りのパンドンを、高山氏は忠実に仕上げていたのだ。どんな理由で双頭がお蔵入りしたのかは判らないが、製作風景の写真を見る限りでは相当のインパクトがある。ウルトラセブンと激闘を展開する姿、是非とも見てみたかった。さて、ウルトラマンの最終回に登場したゼットンとウルトラセブンの最終回に登場したパンドンは不思議な共通点がある。一つは面相がわからない。どちらの怪獣も眼の位置が判然としないのである。眼がないと喜怒哀楽という感情が読み取り難くなり、見る側を不安にさせてしまう。二つ目はどちらも火を武器として使うという特徴。ゼットンは一兆度の火の玉を、パンドンは両方の口からゴウゴウと勢い良く火炎を吐く。キリヤマ隊長等はパンドンの火炎攻撃によって危うく火達磨にされる所をウルトラセブンに救われた。三つ目はどちらも宇宙人の侵略の手先として地球にやって来たという事。ゼットンはゼットン星人によって、パンドンはゴース星人の侵略の尖兵として地上に舞い降りた。このような共通点を持つ両者だが、結末だけは違った。ウルトラマンを倒したゼットンとは異なり、パンドンはウルトラセブンに片手、片足をアイスラッガーで切断された。その後、義手、義足となって再びウルトラセブンと対峙するが、健闘空しく敗れ去ったのである。
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
170mm |
115g |
ウレタン樹脂 |
町田 進 |
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