トップページ > ウルトラセブン > ヴィラ星人


第5話 『消された時間』より 宇宙蝦人間 ヴィラ星人  
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:044
 

南極の地下にある地球防衛軍科学センターから飛び立った一機の超音速ジェット旅客機は、富士山麓にある極東基地を目指して順調に飛行していた。搭乗者はユシマ博士。「地球の頭脳」と呼ばれる若き科学者である。「後、10分足らずで基地に着陸します」。機長の説明の直後、その異変は起こった。時間停止―――。恐るべきヴィラ星人の侵略の幕が切って落とされた…………。



喋るウチワエビ―――。そう書くとまるで落語の小噺のような感じであるが、ヴィラ星人のモチーフはまさにウチワエビそのものである。「えっ、何?美味しそうですって!」、とんでもない!?ヴィラ星人は煮ても焼いても食えないほどずる賢い宇宙人なのである。ヴィラ星人の地球侵略計画はこうだ。「地球の頭脳」と呼ばれ重大な賓客として持てなされるユシマ博士。博士が地球侵略の尖兵であるなど万が一にでも疑う者はいない。灯台元暗し。ヴィラ星人はその盲点に目を付けた。時間凍結光線を浴びせられヴィラ星人の心を植付けられた博士は、レーダーを破壊して防空体制を麻痺させ、ウルトラホークなどの超兵器を使用不能に追い込もうとした。しかも陰謀をいち早く見抜いたダンにスパイ容疑をかけ、ウルトラ警備隊に亀裂を入れようともしたのである。時間を操り、人の心を操り、船団を操って、地球侵略を実行しようとしたヴィラ星人。見掛けのイメージとは程遠いワルなのである。そんなヴィラ星人は圓句氏の手によって作られた。クネクネと動く口元の表現、まるでマツカサのような胴体の作り込み、足の関節の曲がり具合など、見所満載である。しかもこれ、自立するのだから驚きである。圓句氏の卓越したバランス感覚と表現力が込められた素敵な一品となっている。最後に小ネタを一つ。「ヴィラ星人、あんたいろんなものを操んのが得意なんだってねぇ」「おうよ、人に時間に船、俺に操れねぇもんはねぇよ」「じゃあ、あんたの身体にくっ付いた沢山の糸はなんなんだい?」「これかい、これはピアノ線つって俺の身体を支える大事な糸だわな」「そんじゃあんた自身も誰かに操られてるって訳かい!?なんとも吊れねぇ話だねぇ」

全高 重量 材質 原型
170mm 90g ウレタン樹脂 圓句 昭浩