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第6話 『ダークゾーン』より 放浪宇宙人 ペガッサ星人 TYPEU
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:166
 

突如アンヌ隊員の自室に現れた黒い影。部屋の灯りも懐中電灯の光さえも、黒い影を明るく照らし出す事はできない。光の届かない闇。それはまさにダーク・ゾーンだった。やがて影の中から何者かが弱々しい声で語り始める。「騒がないで下さい……。私は…、私は事故起こして重傷を負っている…………」。どこから来たのか、なんの目的で来たのか、ダーク・ゾーンの主は語ろうとしない。同じ頃、防衛軍のレーダーは6分20秒ごとに波長を変えて送られてくる、強力な宇宙電波を受信していた―――。


ウルトラセブン第6話、この「ダーク・ゾーン」は子供心に強烈なトラウマを植付けた一編である。この作品で僕はウルトラセブンの見方が分からなくなってしまったといっても過言ではない。宇宙空間に建造された巨大な宇宙都市ペガッサは、太陽系を航行中に動力系統に異常をきたしてしまった。このままでは地球の軌道に乗ってしまう為、修理に要する80時間の間地球の軌道を変更するよう要請してきたのである。だが、地球の科学力でそんな事は不可能だ。ダンは懸命に呼びかける。「新たな都市を建設するまで地球に移住してくれ」と。だが、ペガッサからの応答はなく、ついに地球防衛軍は宇宙都市ペガッサを爆破した。それは、我々地球人が生き残る為の最終判断だった。さて、アンヌ隊員の部屋にいたダーク・ゾーンの正体は、万が一の局面に備えて地球を破壊するように送り込まれたペガッサの工作員だった。地球の中心部めがけて巨大な爆弾を打ち込むペガッサ星人にダンは言う。「ペガッサは破壊された」と――。「復讐してやる」、その言葉を残してペガッサ星人は闇の中へと消え去っていった…………。同じ事をしようとした。どちらも生き延びる為に仕方なく。結果、生き延びたのは地球だった。 だがの心は晴れなかった。なぜかウルトラ警備隊もウルトラセブンも嫌な奴に見えた。一瞬にして全ペガッサ星人を殺してしまった地球人。あの都市の中には沢山の家族が、兄弟や恋人が、夢や希望が一杯詰まっていた筈。ならば一体どうすれば良かったのか?宇宙の藻屑と消えて行くペガッサを見つめながら、いろんな事を考えた…………。

全高 重量 材質 原型
175mm 95g ウレタン樹脂 造形村