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第2話 『緑の恐怖』より 生物X ワイアール星人
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:130
 

宇宙ステーションV3から一時帰還した石黒隊員。だが、その正体は植物宇宙人、ワイアール星人の偽装した姿だった。地球人をすべてワイアール化しようと企むワイアール星人は、石黒家の窓から夜な夜な緑色の蔓を垂らして夜の街へと繰り出し、通り掛かりの人間を次々と襲っていく。体液を浴びた人間はやがて自らもワイアールとなって、獲物を求めてさ迷い出すのであった…………。


「チルソナイト808」。ダンの解説によれば、ワイアール星から産出される宇宙金属である。このガラモンの電子頭脳に良く似た「チルソナイト808」は、ウルトラセブンの透視能力を持ってしても中を見る事はできない。さて、ウルトラシリーズには度々不可思議な専門用語が登場する。この「チルソナイト808」しかり、他にも「ダイモード鉱石」、「ライトンR30爆弾」、「プロジェクト・ブルー」など、数え上げればキリがない。これらオリジナリティ溢れる専門用語は、ウルトラシリーズの魅力を語る上で欠かす事のできないものである。地球の未来を、果てしない宇宙の広がりを、想像を絶する宇宙人の科学力を感じさせてくれた用語の数々、大人になった今でもこの用語を耳にすると、ワクワクした気持ちになるのである。ワイアール星人、ガレージキット化は不可能と言われた一体である。全身を無数の蔓と棘が覆い尽くすこの異星人、作り上げる事も、型を抜き取る事も、およそ無理だと思われてきた。だが、その超難度なワイアール星人は、村田幸徳氏という原型師とボークスの技術というコラボレーションによって、見事に克服されたのである。この複雑極まるキットがたったの三分割で組み上がるという事実には、ただただ驚くばかりだ。ガレージキットの一つの到達点であるワイアール星人、その塗装もやはり難易度は高い。いや、塗装が難しいのではなく、塗装する為に手に持つ事が難しいのである。僅かでも力を加えればポキン、ドライブラシ中にポキン、台に乗せる時に角度を誤ってポキン、製作はとにかくポキンとの闘いであった…………。

全高 重量 材質 原型
175mm 180g ウレタン樹脂 村田 幸徳