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おまんたワールド
コイン怪獣 カネゴン
Chapter of ULTRAQ 〜KANEGON〜
第15話 『カネゴンの繭』より コイン怪獣 カネゴン
 
このカネゴンは展示の為に急遽仕上げたものだ。「円谷エキシビション2022」という催事にコモリプロジェクトのコーナーを作りたいという打診があり、「Q」と「マン」から30体のキットを展示する流れになった。その際、奥さんがこんな事を言い出した。
「やっぱりカネゴンはないとダメなんじゃない?」
  ゴローやトドラを選んでいる隣でこの一言だ。カネゴンという超の付くメジャーな存在がいるのといないのとではまったく違う。薄々は(いや、ハッキリかな)そう思っていたのだが、時間がないことを理由に見てみぬふりをしていた。そんな心の隙間をズバリと一突きされた格好になった。
「はい、作ります」
もう逃げられない。
カネゴンの造型は橋本智氏の手によるもの。発売は2003年、「おまんたワールド」からリリースされた。かれこれ20年近く前の作品である。「颯爽! カネゴン闊歩す」というタイトルがつけられており、四体で一つの作品世界を表すようになっている。今回は一番先頭のカネゴンのみを制作した(もちろん、いつかは残りも仕上げようと思っている)。初期ウルトラに強い思い入れを持つ橋本さんなだけに、当然素晴らしい造型になっている。前後左右、どこから見ても可愛げがあって剽軽なカネゴンだ。口の両端にあるジッパーは自作しなくてはならない。針金にパテを付けて先端を平べったくすればなんのことはない。長さやバランスは本編やスチール写真を見て制作した。



彩色だが、カネゴンはいわずとしれて10円の銅色である。カラーのスチール写真も残っているから、体色の表現で迷うことはないだろう。いつものようにガイアノーツの艶消し黒から立ち上げて、土地色(522)、レッドブラウン(41)、ダークアース(22)を使い、色のメリハリを出していく。褐色の雰囲気は艦底色(29)をエアブラシと筆塗りの併用で塗り込んでみた。ご存知の通り、カネゴンの親指と人差し指は生身だ。お金を掴む演技をする為にこうなったといわれている。指は肌色で爪の感じもしっかりと出す。足下のポッチは点灯するから光沢を出した。全体的に彩色はそれほど難しくはないが、しっかり丁寧に仕上げていけば見栄えのする実感が湧くと思う。













全長 重量 パーツ数 付属品
300mm
(頭のてっぺんまで)
900g 14点 買い物かご
材質 原型師    
ウレタン樹脂 橋本 智