原型師の高垣さんは都合三体のゴルゴスを世に送り出した。一体目はボークスＪｒ．でべったりと臥せったポーズ。二体目はパラダイスから、中腰で咆哮しているポーズ。三体目は自身のレーベルであるおまんたワールドにて。どっしりとした立ちポーズで、なんのけれん味もない。まさに直球勝負の姿だ。東宝・大映などの映画怪獣ならばそういうこともあるが、数あるウルトラ怪獣界において同じ原型師が同じ怪獣を三体も造るのはちょっと珍しい。高垣さんはどれほどゴルゴスが好きなんだとも思う（笑）
命ある鉱石によって引き寄せられた岩が、やがて形を成して誕生したゴルゴス。設定通り、顔から背中側は岩そのものだ。反して、喉から腹部にかけてはぷよぷよのタルタルになっている。中年男性のお腹だってもう少し張りがある。岩が集まって出来た筈なのに、これまた一体どうしたことだろう。そんな魔訶不可思議な存在を高垣さんは素直に、かつ完璧に捉えている。だからこそ塗装は楽しめた。硬質感と軟質感の塗り分けは実に面白く、表現のし甲斐があった。ただ一つ難点を言うと、気泡が多かったこと。岩だから気泡くらい大丈夫だろうと思われるかもしれないが、岩だからこそ丸い穴はとても目立つのだ。塗装に入る前のパテ埋めと修正にはかなり苦しめられた。
さて、塗装はいつものようにエナメルブラックをベースにした。これは背中側もお腹側も同様にだ。次いで背中はシーブルーや艦底色を乗せていった。対して腹部はサンディブラウン、凹みにはクリアーオレンジなどを混ぜて使っている。これで全体を整えたら、そこからは筆で色んな色を味付けしていく。茶色に青色、黄色と油絵のようにどんどん乗せる。後からドライブラシをしたり、エアブラシでまぶしたりするので遠慮はいらない。埃を被ったように仕上げたければ全体に黄色味を強く加え、もう少し溶岩っぽさを求めるのであれば青味を増やせばいい。ゴルゴスはいかようにでも応えてくれる。瞳はオレンジとレッドを調色し、真ん中に黒い円を描き込んだ。最近、老眼が進んで老眼鏡の上から拡大鏡をつけて頑張っている。目が悪くなったとお嘆きの皆さんも、創意工夫で趣味に没頭して欲しい。お互いに頑張りましょう！
| 全高 |
重量 |
パーツ数 |
付属品 |
| 250mm |
1700g |
7点 |
なし |
| 原型師 |
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| 高垣 利信 |
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