第5話  『ペギラが来た!』 第14話 『東京氷河期』  より 冷凍怪獣 ペギラ
MERMAID 円谷コレクション NO:2
 


先日完成させたOHレッドキングに続き、これまた名作の誉れ高い伝説キットの登場だ。1985年、大石透氏がパゴスに続けて放ったレジン版ペギラ。ちょっと右に傾いた姿勢、どっしりと安定感のある造型、そしてペギラ特有の眠たい眼。当たり前だが抜群の存在感を漂わせている。惚れ惚れする。しかし、レッドキングと同じくこちらも塗装まで漕ぎ着けるには相当の時間を要した。軽石を思わせるじゃなく本当に軽石と見紛うくらい全面ボッコボコ。そこら中が大中小のクレーターだらけ。しかも歯は欠け、爪は潰れ、やっぱりパーツも合わない。しかし、文句を垂れても状況は好転しない。だったらひたすら手を動かすのみだ。それにしてもこの頃のレジンってどうしてこんなに硬いんだろう。切ったり削ったりするのにやたらと骨が折れる。最近のキットに慣れていると、あまりの歯応えの強烈さに笑いすら漏れてくる。地道な作業を延々と続け、ようやく下地までクリアとなった時は万歳したくなるのはいつもの事だ。ペギラの塗装はこれまでボークスJr.で二度チャレンジした。ペギラの体色ははっきり言って相当奥が深い。何色って一言で表現出来ない色なのだ。茶色やら灰色やら黄土色やらが何層にも積み重なったような感じ。過去の作品ではその辺りが全然表現出来なかった。でも今回は強い味方がある。講談社発行の「キャラクター大全総天然色ウルトラQ上巻」。この扉にどんぴしゃなペギラのカラースチールが載っている。これは同じ講談社の「ぼくら」の表紙になった特写だ。今まで見た中で最も綺麗なスチールであり、ペギラの体色がかなり正確に再現されているのではないかと思う。実はこの写真を見たからマーメイド版ペギラにチャレンジしようと考えたのだ。なるべくスチールに近付くよう工夫しながら色を重ねた。想像以上に汚くなって慌てたが、それがペギラなのだと言い聞かせて続ける。荒っぽいドライブラシもスチールに順じたものだ。細い糸状の針金を頬に埋め込み、垂れ下がった髭を表現してから、あの眠い眼を描き込む。う〜ん、今はこれが精一杯。





全長 重量 材質 原型
300mm 1400g ウレタン樹脂 大石 透