第2話 『五郎とゴロー』より 巨大猿 ゴロ
VOLKS JUNIOR ULTRA Q WORLD NO:013
 


まだ小学生になるかならないかの頃だ。大事に持っていたレコードがあった。ウルトラマンの主題歌集、擦り切れるほど何度も聞いた。その中にただ一つ、何度聞いても分からないものがあった。「〜これから30分、あなたの目はあなたの身体を離れて〜」というアレだ。その時の僕にはウルトラQの記憶がなかった。親の話だと再放送で見てはいたらしいのだが、はっきりと記憶するにはまだ小さ過ぎたようだ。スピーカーからは「キャーッ!」という人々の叫びに混じって、甲高い怪物の咆哮が響く。その声の主がゴローだと分かるまではかなりの時間を要した―――。
劇中さながらミルク缶を握り締めて一気飲みしているゴロー。まるで目の前に大好きな五郎がいるかのように、警戒心のない無邪気なゴローが造形されている。Jr.ワールドの中でも小さめながら、全体のバランス、全身を覆う体毛の表現など、原型を務めた畑中氏の素晴らしい技がいかんなく発揮されているキットである。ゴローの右足は折り曲げられており、その上に左足が乗っている。塗装する前に接着してしまうと、折り重なった部分がうまく塗装できない。よって左足だけは塗装した後キットに取り付ける事にした(仮組み時に塗装のプランを立てるようにしておけば間違う事はないと思います)。 塗装はベースをブラックで、部分的にブラウン系を混ぜ、体毛は明るめのブラウンでドライブラシを施した。顔や胸、手足などはダークブラウンをベースにベージュ、イエロー系の色を使って表現してみた。ゴローの瞳はブラックの中にブラウンを描き込んで、最後にタップリとクリヤーを混ぜ、潤んだ感じを出してみた。





全高 全長 重量 原型
110mm 130mm 135g 畑中 正義