実はすこぶるタコ好きだ。寿司屋に行けば真っ先に握ってもらうのがタコ、仕上げの一品もタコというほどタコに目がない。そんなタコ好きが大ダコを作った。それがこれ、スダールである。東宝特撮ものではお馴染みである大ダコ、キングコングと、フランケンシュタインと、ガイラと都合三度の大立ち回りを演じた。一説によれば特撮の神様円谷英二が大のタコ好きだったからとも言われている。真意のほどは定かでないが、「ウルトラQ」にもスライド当番したという事実を見ると、強ち冗談ではないように思える。
南海の楽園コンパス島に巣くう魔神スダール、長い触手を伸ばし、ヌメヌメと大地を這いながら島民や万城目達に襲い掛かった。中でも恐ろしいのはあの目である。怪しく光るガラス玉の中央に黒い横筋が入ったような目………、感情の揺らぎが一切分からない目は見る者に底知れぬ恐怖感を抱かせる。スダールの原型は清瀬氏の手によるもの、スケールの小ささを微塵も感じさせないほど造りこまれたラルゲユウスは実に見事だった。
今回のスダールも躍動感と共に細部まで繊細な造型で、受け手側の創作意欲がムラムラと掻き立てられるものとなっている。塗装は生物感を全面に出すよう心掛けた。ブルー、オレンジ、ブラウン、レッド、イエロー、かなりの数の色を重ね合わせ、クリヤーで全身に艶を持たせて完成とした。いわゆる怪獣とは違い、久し振りに面白いキット製作体験だった。
全長 |
重量 |
材質 |
原型 |
180mm |
80g |
ウレタン樹脂 |
清瀬 信幸 |
|