光野氏原型のパゴスタイプT、これが大きくて重い。トドラやピーターと比べると3倍ほどもあるんじゃないかな。とても同じJr.ワールドのキットサイズとは思えない。だが、これがいい。実にいい。許せてしまえるのである。「俺が思うパゴスはこうだ!」という光野氏のストレートな表現が、理屈抜きに見るものに訴え掛けて来る。原型師との会話と言うと大袈裟かもしれないが、キットを作っていると造型した人の気持ちがなんとなく伝わって来るような感じがする。これもまたガレージキットの楽しさだと思う。
さて、塗装に入る前に随分下地処理をした。古いキットは今のものと違って段差や気泡があちこちにある。歯も全部自作というのが普通だった。懸命に処理をしたつもりだが、写真に撮って眺めてみるとまだ甘い部分が多々ある。そこは大目に見ていただいて………、塗装はベースにダークブラウンを吹いてエナメルのブラックで墨入れを施した。そこからブラウンやイエローなどサンド系を使ってドライブラシを駆使し、土埃の付いた地底怪獣のイメージを表現してみた。牙や爪は体色に違和感が出ないよう琥珀色を意識した。しかしこれがいつもながら難しい。色んな人に教えて頂いて試してはみるのだが、今だに「これだ!」という琥珀を掴めた試しがない。ガレージキットの道は長く、そして険しい………。
全高 |
全長 |
重量 |
原型 |
115mm |
260mm |
660g |
光野 正広 |
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