富士山麓にある吉野のお池が突如湖が沸騰を始めた。やがて湖面に巨大な岩石が現れる。その岩石は唸りを上げて空に飛び上がると、轟音を響かせて地表に落下した。まるで意思ある者のように………。その証拠に、岩石の割れ目からはドクドクとマグマが脈打っていた。まるで心臓の鼓動のように―――。
岩から生まれた孫悟空宜しく、富士の樹海で岩石が集まって生まれたゴルゴス。切り立った岩山を思わせる身体、しかしゴルゴスが生物である事を示すように、そのお腹は柔らかそうで動くとフルフルと肉が揺れる。しかもこのゴルゴス、驚いた事にゴジラの声で咆哮し、口からガスを吐く。初めて観た時にはぶったたまげたものだ。
さて、このキット一体成型となっている。原型を作ったのは高垣氏、氏の手によって地面に這いつくばった小山のようなゴルゴスが誕生した。一見すると地味な怪獣なのだが、細部をよく見ると左右非対称の表情が実に味わい深く、ゴツゴツした岩肌の質感も丁寧に表現されていて、新たな魅力に気付かされる事請け合いである。塗装はもちろんベースにブラック、そこからグレー系やブラウン系を使ってドライブラシをした。滑らかで柔らかそうな腹部は、質感の差を出す為にベースをダークブラウン、そこからサンドベージュなどのイエロー系を使って仕上げてみた。
余談だが、昨年12月から今年の2月末まで高知県立美術館で開催された「高知の造型文化展」、展示者の一人である高垣氏からの依頼を受けて、僕の作ったこのゴルゴスが出張した。原型師さんから直接の依頼を受けるなんて、とても名誉な事である。高垣氏が手掛けた素晴らしいキットの数々、その中にちょこんと鎮座ましましているゴルゴスがなんとも可愛らしく見えた。
その時の事はブログ(2月「高知へ行く」)に触れている。
全高 |
全長 |
重量 |
原型 |
60mm |
150mm |
140g |
高垣 利信 |
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