「ダイナイマト・ジョー」――――。フェザー級プロボクサー、ジョー・相川の事を誰もがそう呼んだ。リングに立つ相手をことごとく、予告した通りのラウンドでマットに沈めるジョー。神懸りめいた姿に人々は熱狂した。だが、世界チャンピオン戦を迎える一週間前、ジョーは突然行方をくらましてしまう。「なぜ?」、「どうして?」ジョー失踪の理由は世間を騒がせ、様々な憶測が飛び交う。しかし、真相は思いもよらぬものだった………。
ピーターの学名はアリゲトータス。かつて日本海溝の深度数百mで採取された事がある超深海生物である。カメレオンが周囲の色と同調して体色を変化させる如く、ピーターは周囲の温度に反応して身体の大きさが変化する。低温では小さく高温では巨大になるのである。ジョーは偶然フィリピン沖でアリゲトータスを釣上げ、ピーターと名付けてペットにした。普段は水槽の中で飼っているのだが、ジョーの機嫌がいい時はご褒美と称して外へ出される。トカゲくらいのピーターがムクムクと2mほどの大きさに巨大化する様は面白い。ご褒美というくらいなのだから、ピーターは低温よりも高温を好み、より活動的になるのかもしれない。そんなピーター、劇中では三度体長が変化する。一度目はピエロに身をやつしたジョーの手によって、二度目はホテルのマネージャー、ビル大山が、三度目もピーターに芸を仕込もうと目論んだビル大山が水槽から出してしまう。最初と二度目は人間大の大きさになるピーターだが、三度目は落雷によって森が炎上した為に周囲の空気が高温になり、30mほどの巨大な体長に変化する。いや、体長だけではない。良く見ると体表までが変化している。人間大では五角形をした鱗が整然と並ぶのに対し、巨大化したピーターの体表には鱗の中心にキラキラと光る丸い輝きがあるのだ。原型を作った畑中氏もインストでこの事に触れている。なによりJr.ワールドを形作る者として、簡単な体表を造形する訳にはいかなかったいという一文が胸を打つ。よってこのピーターは巨大化して体表が複雑化したものだという事を付加しておく。
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
70mm |
180g |
ウレタン樹脂 |
畑中 正義 |
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