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ACRO ゴモラ(アクロ)
Chapter of ULTRAMAN 〜GOMORA〜ACRO KRS×NIRASAWAシリーズ 第四弾 |
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韮沢靖さんは若くして逝ってしまわれた……。しかし、韮沢さんの残した作品は脈々と今に生き続けている。このゴモラもそうだ。盟友、山脇隆氏の手によって具現化された。この存在感を前に多くの言葉は要らない。 二年ほど前に遡る。怪獣ワールドフェスティバルの会場に足を運んだ僕は、親しい原型師の皆さんと挨拶を交わしつつ、とあるブースにて足を止めた。そこには山脇さんがいて、アクロの皆さんがいらっしゃった。ウルトラ怪獣を国内外のデザイナーがリミックスして、現代に蘇らせるプロジェクトが始動していることは当然ながら知っていた。目の前には「アストロモンス」「セミ人間」「ベムラー」に「ドラコ」。作品はどれも魅力的なものばかりだった。その時、僕はこんな感想を漏らした。 「これ、レジン版は出ないんですかね」 その時、アクロ代表の方はこう切り返された。 「我々はレジンに匹敵するものを安価にて、ソフビとして提供しているんです」 その言葉には強いプライドが滲んでいた。僕の言葉はアクロ代表の方を傷つけるものだった。本当に失礼なことを言ってしまった……。 そんな事があってから数ヵ月が過ぎた頃、山脇さんから荷物が届いた。開けてみるとそれはレジン版で抜かれたゴモラだった。驚いた僕はすぐに山脇さんに電話を入れた。すると、「アクロの門脇さんが、以前、小森さんがレジン版を欲しがってたから、これはプレゼントです」とのメッセージが……。失礼な発言をしたにも関わらず、それを覚えておいてくれ、こうしてプレゼントにしたためてくれたのだ。その度量と心意気には大変に感激した。いつかその気持ちに応えるべく、しっかりと塗り上げたいと思った。 この度、ようやくゴモラが完成した。西洋のドラゴンっぽさを表現するべく、下地は真っ赤に染め上げた。そこからドライブラシやエアブラシを駆使して自分の頭の中にあるイメージへと近づけていった。今、自分の出来る限りのことを精一杯やった。 完成した画像を見て、山脇さんはとても喜んでくれた。アクロの門脇さんも感激してくれたそうだ。嬉しいというよりほっとした。 失言から始まった旅の結末が歓びで終わることができた。これ以上、幸せなことはない。2019年のガレージキットライフは最高のスタートとなった。
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