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怪獣無法地帯 彗星怪獣 ドラコ
Chapter of ULTRAMAN 〜DORAKO〜第25話 『怪彗星ツイフォン』より 彗星怪獣 ドラコ 怪獣無法地帯 Monster Classics NO:10 |
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いつかはやらねばと思っていたが、こんなタイミングだとは想像もしていなかった。新作の執筆で四苦八苦している最中の製作。テストの前に他のことがしたくなるのとおんなじ心境だ……。彗星怪獣ドラコ、想像通りの難物だった。原型は川岸敬巌氏。以前、ボークスjr.シリーズで川岸氏が造型された素晴らしいドラコを作ったことがある。ポージングが実にカッコよく決まっていて、羽もクリアパーツ成型で美しいものだ。ただ、僕自身には後悔が残っている。当時はまだ技術がおぼつかなく、羽の塗装をイメージで塗ってしまった。もちろんそれなりには見える。だが、それなりだ。ドラコの羽というには相応しくない。だからこそ、怪無モンスタークラシックスにチャレンジする時は、きちんとやり遂げようと考えていた。 塗装は黒をベースにした。いわゆるMAX塗りだ。そこから青や緑を重ねてタイルのような皮膚を表現していく。それが済んだら次は白いラインに取り掛かる。もちろん筆塗りである。多少食み出しても気にしない。あとから幾らでも修正は利く。ドラコ本体が完成したら、次はいよいよ羽の番。ここまででもかなりの時間はかかったが、羽はそれを上回る筈だ。まずは節の部分を白く筆で塗っていく。食み出したらシンナーで溶かし、テイッシュペーパーで拭きとる。その繰り返し。幸い、ドラコの特写には羽を広げたものが残されている。それと見比べながら白い筋を引いていく。慎重かつ大胆さが求められる作業だ。集中力も試される。一度はあまりに集中し過ぎて目が充血してしまった……。葉脈のような筋は最初の三枠目と四枠目から様相が様変わりする。落ち着いて丁寧に描き進めていく。一枚目が終わっても安心してはいけない。羽は二枚ある。しかも、筋の入り方は左右で大きく異なっている。もう一度集中力を高めて描いていく。ようやくどちらの羽にも筋を描き終えた。だが、さらなる仕事が待っている。羽には黄色い模様がある。今度はそれを描き込んでいく。白い枠にきっちりと収めるのではなく、結構いい加減に。それがドラコの羽なのだ。 なんだか羽の話ばかりになったが、塗装は本当に大変な作業だった。仕上がりは……少なくとも今は興奮状態の中にいるから満足している。
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