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第34話 『空の贈り物』より メガトン怪獣 スカイドン
かなめみお 怪々大行進 NO:027
 






別名の「メガトン」とは重量の単位、即ち100万tを意味する。要するにとてつもなく重いという事だ。たまに口から炎を吐く以外はたいして武器を持ち合わせていないスカイドンに、仕掛け人達は重さを加味した。それもメガトン級の重さを。これが十分な武器となり、キャラクター性を際立たせる事に成功している。こんな設定は普通ならば楽屋の内輪話だ。しかし、当時のスタッフはそれを一本の作品に纏める力量と遊び心があった。これぞ、「メガトン」のもう一つの意味である爆発力に他ならない。
 さて、森下要氏原型のスカイドン、レジンの塊である。スカイドンに中空成形は似合わない。とばかりに劇中同様、呆れるほど重い。インストには「あやうく手首をやられるところだった」と記してある。さもありなん。さぞ、原型制作時は苦闘の連続だっただろう。こちらも作る際にはその重みを十二分に感じながらのトライとなる。
スカイドンを作るのは都合二度目だ。川岸氏原型のJr.もレジンの塊であり、17cmサイズとはいえ、それなりにずっしりときた。もちろん、30cmサイズは桁が違う訳だが……。口と後ろ足を取り付けてしまうと塗るのが大変になる為に後回し。上顎のみを取り付ける。これでいくらか重さは軽減出来た。だが、問題は他にもある。スカイドンの体色だ。これがなかなか判別し難い。ベージュ寄りにも見えるし、グレー寄りにも見える。場面によってまったく見え方が異なる。以前、森下氏がスカイドンをワンフェスにて展示した際、ふらりと訪れた実相寺監督から、「スカイドンは黒っぽかった」と声を掛けられたそうだ。監督自身がそう言うのなら間違いない。グレーをベースに上からベージュをまぶすという方向で塗り進める。昨今のカラフルな怪獣と違い、全身の大部分が同じ色のスカイドン。だが、「メガトン」の設定と同じでこういうシンプルなものほど手強いものだ。重さに苦しみながら塗り進めていった結果がこれ。スカイドンらしさが表れていたら数日間の闘いも報われる(笑)



全長 重量 材質 原型師
410mm 2000g ウレタン樹脂 森下 要