第30話 『まぼろしの雪山』より 伝説怪獣 ウー
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:094
 





「ウー、ウーよう!」、人々から雪ん子と揶揄される少女ユキが雪山に向かって呼び掛ける。すると全身を白い毛に覆われた巨大な怪物が姿を現した。まぼろしの雪山に伝わる伝説の怪物、ウーである………。  
よくぞこのアイテムに立ち向かってくれたものだと思う。粘土を使って全身に生えた細い毛を表現する。それがどれほど大変な作業なのか、素人には想像すらできない。まさに神業のような造形をやってのけたのが村田氏である。氏もインストで触れているが、百戦錬磨の怪獣原型師でさえウーの造形にはさすがに苦労が耐えなかったようである。フワリとウエーブが掛かった柔らかそうな毛のウー。石膏に補強材として混ぜる麻が使われた。持ってみるとズシリと重たいキャストの塊なのだから本当に驚かされる。
塗装は思いきってベースにオレンジを吹いた。色々と考え抜いた末だ。だが、全身オレンジ色に染まったウーを見て脂汗が出た。失敗した………と本気でうな垂れた。だが、落ち込んでばかりでは何も始まらない。要所にブラウンを吹き、ベージュを吹き、ホワイトを使って全体にドライブラシを施し懸命に明度を上げていった。気になる部分はにホワイトグレーを吹きつけて微調整を行った。苦闘の結末がこれである………。

全高 重量 付属品 原型師
160mm 310g なし 村田 幸徳