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第19話 『悪魔はふたたび』より 赤色火焔怪獣 バニラ VOLKS ORIENT HERO SERIES NO:43 |
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ようやく手に入れる事が出来た。それもバニラとアボラスいっぺんに、である。某オークションで出品されているのを知り、久し振りに入札。だが、このアイテムは人気が高い。よほどの根性と懐具合が良くないと、落札するのは難しい………。しかし適った。こんな事もあるもんだと我ながら星回りの良さを喜んだ。だがそれは星回りではなかった。なんと出品者がマンガ家のH先生だったのだ。なるほど、マンガの神様が微笑んでくれた訳である。
このバニラは完成品だった。よって僕は修正を掛けたに過ぎない。H先生曰く、「以前、某ショップで購入」されたそうである。あちこちハゲはあるものの、塗装自体は実に見事なものだった。黒を効果的に使う事によって皮膚の質感が存分に高められている。自分の塗装とは違うアプローチ、感心しつつ隅々まで眺め研究させて頂いた。その上で、自分の味付けを加えていく事にした。 ブラックやブラウンで墨入れを行い、もう一度色が深まるように引き締めた。その上で全体にドライブラシを掛け、エッジが際立つようにした。口の中の歯は塗られていなかったので、無理くり筆を差し込んで塗装。奇妙な形の口をしているバニラなので、これは中々に骨の折れる作業だった。そして最も自分らしさを強調したのが「目」である。目を入れる、ただ丸い瞳を書き込むという作業なのだが、実はこれが一番その人らしさが表れるのではないかと思う。瞳の位置、形、色、そして白目の表現。黄味で丸みを出したり、赤味で血管を表現したり………。言うなればその人印、ハンコのようなものかもしれない。このバニラにも小森印のハンコを押させていただいた。
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