大きく裂けた赤い口、ギョロリと飛び出した目玉、大地を揺るがす巨大な体躯、そして、段々型の背中。バラゴンから始まった地底怪獣の系譜、その丁度中間に位置するのがネロンガである。江戸時代、村井強衛門という侍に退治されたという記録が残っているが、どっこい死んではいなかった。時を経て巨大になったネロンガが、再び地上を恐怖に陥れる。おぉ、恐怖のネロンガ…………。
初めて動いているネロンガを見た時の衝撃は今でも良く覚えている。ボッテリとした赤黒い腹がフルフルと柔らかそうに震えていた。それはまるで、当時、大流行していたプッチンプリンのようだった。普段は透明なのだが、電気を食べると姿を現すネロンガ、土埃を巻き上げながら大地を這い進むネロンガ、発電所をメチャクチャに破壊し、ウルトラマンと格闘したネロンガ、確かにネロンガは大きくてカッコ良かった。しかし、今でもプリンを食べる時、あのフルフルした腹を思い浮かべる事がある………。
ネロンガの特徴の一つに、くすんだ赤褐色の体色には眩しいくらいの黄色い背中がある。この唖然とするような体色の妙がウルトラ怪獣の面白みなのだが、塗装する際には黄色は鬼門である。グレーのサーフェイサーをベースにすると、そこから黄色を立ち上げるのは大変困難な作業になる。よってこのネロンガからサーフェイサーを白に変える事にした。結果はご覧の通りである。組み立てで一番苦労したのは意外にも背びれだった。整然と並んだ背中の突起、その間にギザギザの背びれが挟まるのだが、いくら試してもピッタリはまらない。突起を削ったり、背びれを削ったりしてもダメ。頭に来てとうとうパテで強引に埋め込んでしまった…………。尻尾をズルズルと引きずらないで、左右に振り上げて歩くネロンガ。四足の地底怪獣を見事な躍動感でまとめあげた村田さんに拍手を送りたい。
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
95mm |
330g |
ウレタン樹脂 |
村田 幸徳 |
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