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第35話 『怪獣墓場』より 亡霊怪獣 シーボーズ  
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:025
 

シーボーズ―――。まるで海坊主のような名前の怪獣は、海からではなく遠い宇宙からやって来た。怪獣墓場、それがシーボーズの住処である。日本初の月ロケットが打ち上げられた際、怪獣墓場に漂っていたシーボーズと衝突、そのまま地上に落下した。高層ビルによじ登り、哀しげな声を上げて天を仰ぐシーボーズ。その憐れな姿を見た科特隊は、なんとか宇宙へ帰そうと知恵を絞るのだが…………。



まずはその姿に驚かされる。黒い皮膚に剥き出しの骨、陥没した眼孔には目玉すらない。シーボーズはまるで化石が命を得て動き出したかのような異様な姿である。そして特徴的な鳴き声。「ギィィィィィィ」とも「ギョョョョョョ」とも聞こえる耳障りな擬音。それがいかにもシーボーズの姿にマッチしている。さらには拗ねた子供のような仕草。石蹴りをしてひっくり返るは、頭を抱えてイヤイヤのポーズをするは、住処に帰れない寂しさを全身で表していた。おどろおどろしい姿に似つかわしくない可愛げのある仕草。このアンバランスさが、シーボーズという怪獣を一層魅力的に引き上げている。シーボーズの原型は光野氏の手によるもの。天を仰いで哀しげに鳴いている(いや、泣いているといった方が正確もしれない)瞬間だ。誰の脳裏にも焼きついているであろうこのポーズ、眺めているとあの声が聞こえてくるようである。さて、塗装はというとこれが結構難しい。シーボーズの着ぐるみは黒い土台に後からウレタンを削り出して作った骨を貼り付けている。その為、黒と白が混ざる事はない。しかし、キットの塗装はそうはいかない。皮膚も骨も一体成型してあるので、後から貼り付けるなどという事はできない。まずはシーボーズの口の中から塗装開始。口中は赤ではなく黒なのでお間違いなく。その後、意を決して全体に黒吹き。なるべく骨の部分にかからないよう注意して吹いていく。骨は茶色をベースに吹いてみた。汚れたような感じを演出する為である。それが済んだらエナメル系のつや消し黒でウオッシング。乾いた所で骨をベージュから白へと何段階かに分けてドライブラシ、最後にパールを軽くブラッシングして仕上げてみた。

全高 重量 材質 原型
165mm 150g ウレタン樹脂 光野 正広