発狂した科学者の核実験が元でバルタン星は破壊され、帰る場所が無くなってしまった。地球に飛来した理由をそう説明したバルタン星人。事実なら十分に同情できる。だからこそ、ハヤタはこう言った。「地球の風俗、習慣に馴染み、地球の法律を守るのならそれも不可能な事じゃない」と。しかし、バルタン星人には共生という考えは存在しなかった。バルタン星人による侵略の歴史はここから始った―――。
バルタン星人がセミ人間の改造である事は、ファンの間では広く知られている。改造怪獣が生まれる経緯は、特撮モノのコスト高が最たる原因である。着ぐるみ1体を新しく作るよりも、改造を施した方が遥かにコストは押さえられる。ある意味苦肉の策で生まれ出たバルタン星人が、千体を超えるウルトラ怪獣史上最も著名な存在になろうとは、当時のスタッフは誰も予想すらしていなかったと思う。だが、劇中でのバルタン星人の印象は強烈である。左右に動く黄色い目、「フォッフォッフォッ」という不敵な笑い声、そして宇宙忍者の本領とでも言うべき分身の術。一度見たら、聞いたら、忘れられない圧倒的な存在感である。そんなバルタン星人に向ってイデ隊員は宇宙語で呼び掛ける。「キエテ コシ キレキレテ(君と僕は友達)」。この言葉が互いに通じ合うようになるのは、30年以上後、ウルトラマンコスモスまで待たなくてはならない…………。
バルタン星人がコレクションに加わっているか否かは大きな問題だった。両親や妻、友人達、怪獣と馴染みの無い人が唯一知っているバルタン星人。それが無ければ会話が生まれる筈もなく、只、眉をひそめられてお終いである。だが、中々バルタン星人を作り出せなかった。足から腰にかけてのグラデーション模様、再現する自信が持てなかった。何度もマスキングを繰り返し、少しずつエアブラシで色を吹き付けていく。塗装の工程を頭の中に浮かべたが、これでいける、作ろう、そんな決心にまでは至らなかった。そんなある日、娘がこう言った。「パパ、今度バルタン星人作ってきて。見たいから」。それから3日後、バルタン星人はあっさりとコレクションに加わったのだった。
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
180mm |
90g |
ウレタン樹脂 |
圓句 昭浩 |
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