その名の由来はインディアンの有名な長、ジェロニモである事は言うまでもない。赤や青や黄の飾り羽が全身を包み、顎には白い髭が蓄えられていて、ウルトラマンも怯むほどの超能力を有するジェロニモンは、別名を怪獣酋長と言われる。ウルトラマンや科学特捜隊に倒された怪獣達60匹以上を超能力で復活させ、東京に総攻撃をかけようと企てたが、蘇生したピグモンの通報によって事半ばで計画が露見してしまう。さしもの怪獣酋長も、ピグモンが人間の味方だった事までは知らなかったとみえる…………。
『生命の復活』という神秘の業を持つジェロニモン。怪獣酋長はまさしくシャーマン(呪術師)そのものである。蘇生したドラコとテレスドンが倒された時、岩山の合間からヌッと姿を現したシーンは強烈な記憶として焼き付いている。口から霧状の無重力光線を吐いてそこにあるものすべてを宙に舞い上げ、尻尾の飾り羽を空に放った後は超能力で自在に操り、ウルトラマンの背中に突き立てるなどした。頭の真っ赤な羽飾りを揺らすジェロニモンは威風堂々として、とてつもない凄味を漂わせていた。そう、頭の羽があるまでは…………。ウルトラマンに羽を毟られた後のジェロニモン、剥き出しになった黒い剥げ頭を見た時には虚しさを覚えた。所々に羽が残った無残な頭、その姿は、薄くなった髪を懸命に頭に乗せている世のお父さん達を彷彿させた…………。
ジェロニモンの作製はとても険しいものだった。鬼門はなんといってもあの飾り羽である。羽はすべて別パーツとなっていて、頭から背中、尻尾までズラリと取り付けなければならない。まず、真鍮線を通す為に羽の芯に0.5mmのピンバイス(先端がドリル状になっており、穴を開けるのに使用する工具)で穴を開けていく。少しでも油断すると、ピンバイスが貫通してしまう。それが済んだら塗装である。赤、青、白、ピンク、オレンジと、カラフルな配色で羽を塗っていく。塗料が乾いたら、羽を一本いっぽんキット本体に埋め込んでいく。うまく入らずにグイグイと力むと、ポキン!都合、三本の羽を折ってしまった。実に根気のいる作業であった………。
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
210mm |
295g |
ウレタン樹脂 |
畑中 正義 |
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