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ファルシオン ウラン怪獣 ガボラ
Chapter of ULTRAMAN 〜GAVORA〜第9話 『電光石火作戦』より ウラン怪獣 ガボラ |
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『最新のものが必ずしも最高のものとは限らない』 これはガレージキットを表す見事な格言である。そうなのだ。たとえ鮮明な4K画像を駆使し、新たに発見された資料を紐解いて造型されたものであっても、そこに魂が宿らないと決して輝かない。数学のようにきちんと答えが出るものではないのだが、不思議と良いものは良いと分かる。
このガボラは平成6年(1994)、今から31年前にファルシオンというメーカーから発売された。その年を振り返ってみると、ネルソン・マンデラが南アフリカにおいて黒人初の大統領となり、サッカーワールドカップ、アメリカ大会が開催、関西国際空港が開港。映画は「フォレスト・ガンプ」がヒットし、ソニーはプレイステーションを発売した。こうして事物を挙げていくと(えーっ!)となるくらい昔だ。だが、このガボラはいまだに名作として燦然と輝いており、二本足で立ち上がった造型は他に見当たらない。 ![]() 原型は稲田喜秀氏の手によるもの。稲田氏が手掛けた作品は決して多くはないが、今も尚高い人気を誇っている。しっかりとした対象の検証と、それを表現し得る確かな技術、僕はここにプラスして「怪獣愛」というエッセンスを感じる。残念ながらお会いしたことはないのだが、ご本人は本当に怪獣が好きなのだと思う。それが作品に吹き込まれ、魂を宿す。そうでなければコアな怪獣ファンの気持ちをこれだけ長い間昂らせることは出来ない。
このガボラはレジン版である。元々はソフビとして作られたものだが、数量限定でレジンも発売された。当然ながら体表の皺やヒレ先、牙などはソフビよりも数段シャープであり、かつ、ずしんと重い。とはいえ、浅川さんの造ったガボラを知っている今となっては、物足りなさも感じる。どちらが良い悪いと比べる気は毛頭ないが、二つを並べるとやはり時間の経過とともにマテリアルの進化や型抜きの進歩を感じる部分はある。そこは拙いけれども塗装でカバーしようと頑張った。具体的に言えば、(ここにあと一つ、二つ皺が欲しいなぁ)と思う箇所に塗装で陰影をつけ、凹凸を表現するというものだ。なるべくのっぺりしないように、しかし、派手にやり過ぎないように意識して塗り進めた。塗装の基本はエアブラシだ。いつもなら半々、もしくは6・4くらいで使い分けるのだが、今回は8・2くらいだろう。ブラックをベースにしつつ、土地色やジャーマングレーとサンドイエローで色分けをしていく。筆で別の色を描き込んだら、その上からまたエアブラシで色を乗せるという工程を繰り返した。ヒレの部分も同様だ。朱色を乗せた上から筆で茶色を描き込み、エアブラシでぼかしながら色を重ね、だんだんと深みをもたせていった。ガボラは懐が深いから、基本はどんな色でも受け入れてくれると思う。味付けに緑や青を足しても、その上からぼかしていけば、皮膚の味わいが滲み出てくる筈だ。 ![]() 古いものはパッとしないなんてガレージキットの世界には無い。古いものは古いもので味があり、歯ごたえがあって面白く、表現の甲斐がある。もし、このエッセイで火が点ったら、家の片隅で眠っているキットに手を伸ばしていただきたい。必ずや豊かな時間に巡り合えると思うから。
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