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アレイド 有翼怪獣 チャンドラー
Chapter of ULTRAMAN 〜CHANDLAR〜第8話 『怪獣無法地帯』より 有翼怪獣 チャンドラー アレイド ウルトラマンシリーズ第二弾 |
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チャンドラーが好き。これまでにそういうシンプルな声を聞いた覚えがない。かく言う自分もそうだ。ペギラは好きだがチャンドラーは……。なんせ、ほぼまんま(・・・)だ。変わったところといえば頭に突起が生えたことくらい。それに弱い。激闘も束の間、レッドキングに翼をもぎ取られて敗走する。その憐れな撫で肩の後ろ姿たるや……言葉が無い。「ウルトラQ」の代表格だったあのペギラが完全なる噛ませ犬だ。あまりにも扱いが酷すぎる。なのにだ。自分のブランドを華々しく立ち上げた浅川氏は、事もあろうに第二弾としてチャンドラーを持ってきた。「なぜ……?」流石にこれには疑問符がついたものだ。しかし、内封されているインストを読んで合点がいった。 「私は、皆さんにあの名作中の名獣の「有翼怪獣チャンドラー」のレジンキットを発表するにあたり―――」 そう、浅川さんの中でチャンドラーは立派な名獣、愛おしい存在なのだ。好きという気持ちは岩をも通す。その言葉通り、造型は圧倒的に素晴らしい。ペギラに角付けただけなんて言わせないという圧がほとばしっている。僅かに左に傾きつつ、重心を膝に乗せてどっしりと構えたポーズには、得体の知れない存在感がある。首から腹、足にかけて彫り込まれた繊細なモールドの表現と、分厚く弛んだ両の翼の表現の変化、盛り上がった尻尾の付け根から流れるよう先端へと連なるライン、角度を変えると印象が異なる豊かな顔の表情まで、どれをとっても圧巻だ。今回、製作するにあたって頭に足されたものが、耳ではなく角であることも分かった。僕だけではなく、多くの人が耳だと思っていたもの。これも浅川氏のチャンドラー愛が教えてくれた事実である。 こうなると塗装が問題だ。いかにこの造型を台無しにしないような彩色をするか。いつものように本編映像を観たり、あらゆるムック本を見たり、ネットにアップされた画像を眺めて回った。はっきりしたのはチャンドラーの体色は一言では言い表せないということだ。茶色っぽく、こげ茶色っぽく、黒っぽくもあり白っぽくもある。埃にまみれているし、土もついている。さて、どうするか……。いつものように凹にアクリルの艶消しブラックを配し、その上から土地色(522)を重ねた。次にエナメルのフラットアース(XF−52)をエアブラシで吹き、ティッシュで余分な色を吹き取った。色の旅はまだまだ続く。しっかり乾いたらアクリルの赤褐色(131)を筆で塗り、色の要素を増やしていく。再びエアブラシでダークシーグレー(25)とサンディブラウン(19)を足して明るめの色を凹部分に置き、乾いたらまた土地色や赤褐色を上塗りしていく。この時、若干の青味が欲しくてブルーFS(326)を筆塗りしてみた。ペギラ族の爪は黄色っぽいので琥珀寄りに、牙や角もそんな感じに寄せている。最後に、チャンドラーの目は赤い。燃えている。土地色を下敷きにして、瞳はあずき色(81)で描いてみた。 これほどの熱量でチャンドラーと向き合う事になろうとは思わなかったが、不思議と今は気持ちがいい。
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