ついに我がホームページにも降臨だ。空の大怪獣ラドン。身長50m、翼長にいたっては120mもある。武器はその巨大な翼から生み出される風圧と、マッハ1.5で空を飛ぶ際に発生する衝撃波(ソニックブーム)。「キーン」という音を立て、白い雲をたなびかせて縦横無尽に空を飛ぶ姿は、神々しさすら感じさせる。その一方で、ラドンが飛来するや車も橋も街も何もかもが吹き飛ばされて瓦礫の山と化す。炎を吐くこともなく、熱線も光線もない。ただ、己の羽ばたきのみで日常を非日常へと変える。この潔さこそがラドンの堪らない魅力だと思う。
さて、キットの方に目を移そう。大きく翼を広げ、今にも飛び立ちそうな躍動感が漲っている。原型はクラバートガレージの竹添氏。平成の世で、今なお昭和の精神性を追求する若き求道者だ。竹添氏のキットを一度でも買ったことがある人は、キットのみならず、インストやオマケに溢れる遊び心にくすぐられたことも多いだろう。実に多彩である。
ラドンは想像以上に写真資料が乏しいといわれる。よって原型師は、写真のみならず映像を何度も見返しては形状を把握していく。そうすることによって見えない部分の凹凸、歪み、皺などを感じ取っていく。竹添氏もラドン造型の際、間違いなくそれを繰り返した筈だ。やがて形を成したラドンがこれだ。もはや多くを語る必要もないと思う。手にしたキットは完成品だったので、改造とリペイントを行った。改造した部分は指だ。左右三本ずつの指が行儀よく揃っていたものを、もっと生物的な動きがほしくてすべて切り離し、角度をバラバラにして取りつけた。体色はブラック、ブラウンをベースにしつつ濃さ、明るさの違うブラウンを要所に取り入れ、部分的にグレーやオレンジ、イエローなどを加えている。手足の爪、胸の突起、後頭部の角、嘴はミドルストーンで統一、そこからエナメルのブラックやブラウンでぼかしを入れた。ラドンの目はつぶらな黒目だが、赤いラインをひき、薄いブラウンで表面に膜を作った。よく見えはしないが、そうすることで生き生きとした表情になると信じている。
全高 |
両翼 |
重量 |
パーツ数 |
280mm |
600mm |
1200g |
12点 |
付属品 |
材質 |
原型師 |
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なし |
ウレタン樹脂 |
竹添 展 |
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