|
|
|
GG'R
宇宙大怪獣 アストロモンス
Chapter of ULTRAMAN TARO 〜ASTROMONS〜
第1話 『ウルトラの母は太陽のように』 より 宇宙大怪獣アストロモンス |
|
超獣より強い怪獣ってどんな奴? それは想像を絶するとんでもない奴だった……。
セオリー通りなら戦って勝つというシーンを用意する。かつて、超獣ドラゴリーが怪獣ムルチ(二代目)をあっけなく引き裂いたように、だ。しかし、今回は戦いもしない。いや、戦いにすらならない。オイルドリンカーが目を白黒させながらお腹の口で平らげられるというあまりにも衝撃的なシーン。超獣が食料になり果てるなんて……。これが栄えあるタロウの第1話であり、宇宙大怪獣アストロモンスの圧倒的な存在感である。
しかしまぁ、なんたるデタラメなデザインなんだろう。角に鎌に鞭、おまけにお腹にはデカい花ときてる。しかも空まで飛ぶ。羽も持たず、羽ばたきもしない。なのに飛べるのだ。宇宙超怪獣たるキングギドラは荘厳で美しい。圧倒されるような巨大な羽と自在に動く三つ首が相手を怯ませる。二本の尻尾のみアストロモンスと共通しているが、「超」と「大」ではこうも違うのかと笑いたくなる。流石、宇宙は広いな大きいな。
原型はコンスタントにタロウ怪獣を発表しているGGRの仙田耕一氏だ。アンバランスの極みたるアストロモンスを上手くまとめて造型されている。ただ、僕はもう少し表現したくて様々に手を加えた。バードンの時もそうだったのだが、足回りの毛はパテを盛ってディテールを作り替えている。相撲取りの化粧まわしの下にある下がりに似たお腹のひらひらも、パテを細く練って数を増やした。自分なりの表現を加える事が出来るのもガレージキットの楽しみの一つである。
下準備同等、塗装も苦労した。当然だが身体と花は別々に製作しなければならない。本編で確認すると、赤い花びらの裏側は黒に近いグレーだと分かった。赤い方はみるからに毒っけのあるラフレシアの色を参考にして彩色している。さて、身体はいつものようにブラックを凹に乗せ、その上からジャーマングレー、更にネイビーブルーやシーブルーと重ねていった。角や鎌、鞭、足の爪は基本、花の色と調子を合わせている。あずき色をベース色にして、茶や黒、青などを合わせたものを筆塗りした。手間がかかったのは足や花の一部にある緑色の毛だ。ただ緑をベタ塗りしても味気ないので、暗い色から明るい色まで様々な色を加えた。その後、埃で汚れた感じを出す為にエナメルのデザートイエローを墨入れしてある。最後の最後に身体と花をくっ付けると、ようやくアストロモンスが姿を現した。
久し振りにかつてのガレージキットを思い出した。箱を開け、眺め、途方に暮れて閉める。それを数回繰り返した。簡単に手を出せない、出しちゃいけないオーラが滲んでいる。大変になるのが分かる。……でも、やらずにはおられない。やって何度も後悔する。そうして出来上がったものを見ると……幸せになる。そんなガレージキットは罪深く、どこまでも面白い。
全高 |
重量 |
パーツ数 |
付属品 |
360mm |
1400g |
33点 |
クリアパーツ(目) 花びらパーツ(ディティールアップ用) |
原型師 |
|
|
|
仙田 耕一 |
|
|
|
|
|