アレイド
岩石怪獣 サドラ
Chapter of Return of ULTRAMAN 〜SADOLA〜
第3話 『恐怖の怪獣魔境』より 岩石怪獣 サドラ
アレイド ウルトラ怪獣コレクション第2弾
 


霧吹山の赤い悪魔、完成しました。サドラが茶系というのは怪獣ファンなら誰しもが思い浮かべるところでしょう。しかし、こんなにも赤寄りなのは今回あらためて知った次第です。ところがです。資料を紐解くと、ただ赤味が強いだけじゃない。こげ茶色から黄土色まで多種多様の茶色が混ざっています。まるでモザイク模様のようです。さて、これをどう表現しようか――は後ほどあらためて解説するとして、まずは造型の話を進めましょう。両手がハサミの代表格といえばバルタン星人でしょう。デカい銀色のハサミがなければバルタン星人じゃないというくらいフィットしています。近いところではゴドラ星人でしょうかね。先端が捩じれてますが、あれもハサミっぽいです。随分遠くはなりますがアイロス星人の両翼の先端も見ようによってはハサミです。すみません、こじつけですね……(苦笑)しかし、両足までもがハサミというとそうはいません。新マンまでだとサドラ以外見当たりません。モチーフはサソリやハサミムシになるのかな、それを四つ足にしないで二本足として表現するところに池谷さんのセンスが光ります。体型は至極シンプルで、全身が蛇腹になっています。上に行くほど狭まって巨大感を生む仕様はレッドキングと同じですね。とまぁいろいろ書いてはみましたが、特段、これといった特徴はない怪獣だと思います。新マン全体を見渡しても、おそらくトップ5に名前の連なる存在ではないような気がします(サドラファンの皆さま、ごめんなさい) しながら、これが浅川さんの手にかかるとこんなにも魅力的な怪獣として立ってきます。何時ものように気楽な心持で仮組みをしていたんですが、途中からは我を忘れて前のめりになっておりました。今にも動き出しそうなポージングは、前後左右、どこから見てもバランスが取れてカッコいい。皮膚のテクスチャーも絶品です。さぁ、これをどう表現する? と挑戦されている気すらします。これは相当に気合いをいれないと返り討ちに合うぞと意識を高め、資料に手を伸ばしたのが冒頭に繋がっていきます。



 さて、彩色ですが、いつもは黒を立ち上げとするところを今回はアクリルのブラウン(7)にしました。よーく着ぐるみを見ていると、凹の部分が明るい茶色なんです。海外のクリーチャーなんかがそうですよね。一番深い部分に明るい色がある。日本の怪獣彩色とは多くが逆です。サドラも明るいブラウンの上からエナメルのフラットブラウンをエアブラシでまんべんなく吹きました。体色がぐっと濃くなったところで、乾いたら全体のバランスを見ながら拭き取っていきます。これはベムラーを作った際にkaz氏に教えてもらった手法です。拭き取る事で下地の色を浮き上がらせるやり方ですね。再びしっかりと乾かして、今度は筆でアクリルの土地色(522)を塗っていきました。資料を見ながら暗い部分に色を乗せていきます。そのままだと境目がくっきりしていますから、エアブラシでアクリルのブルーFS(326)を使ってぼかし、同じくアクリルのサンディブラウン(19)で軽く表面をブラッシングしています。大まかにはこんな感じの作業肯定です。印象的なヤバい目はベースにアクリルの黄橙色(58)、その上からエナメルのクリアーイエロー、クリアーオレンジ、クリアーレッド、フラットブラウンなどを調色したものを塗り、淵をアクリルのマルーン(100)で締めています。



 僕はこんなやり方で凶暴なサドラを表現しました。皆さんは皆さんのやり方、イメージで自分なりのサドラを作り上げてください。完成したらサドラの金切り声が耳を過ると思います。







全高 重量 パーツ数 付属品
350mm 1200g 17点 なし
材質 原型師    
ウレタン樹脂 浅川 洋