かなめみお
宇宙小怪獣 クプクプ
Chapter of Return of ULTRAMAN 〜KUPUKUPU〜
第24話 『戦慄! マンション怪獣誕生』より 宇宙小怪獣 クプクプ
かなめみお 怪々大行進 NO:078
 


信州の山中に落下した隕石から現れた宇宙怪獣。地元の調査隊に捕獲され、研究材料としてMATに引き渡されたというから、おそらく性質は大人しく、これといった武器も備えてはいないのだろう。サイズは身長が2m、体重は350kg。ほぼサイと近い感じだ。それにしてもMATは乱暴なものだ。貴重な宇宙生物だというのにロクに生態を調べもせず、「将来危険になるかもしれん」とレーザーで撃ち殺す。しかも子供の目の前で、だ。これには当時から違和感が拭えなかった。脚本は上正さんだから、あえて、こんな乱暴な組織を描いてみたのではないだろうか。



とまぁ物語のことを推測するのはここまでにして、純粋に造型の話に移ろう。さて、クプクプである。まさかこんな怪獣までもが立体化されるとは思わなかった。本編に登場した時間は僅か1分程度。着ぐるみではなく(おそらく)カポック製で檻の中で微かに揺れ動く。よく見ると釣り糸らしきものも見える。料理で言うところの前菜ですらない。お通しだ。そんな存在が30cm(小)サイズで、しかもムクでずっしりと重みを持って造型されているのだから驚きもひとしおである。原型は森下要氏、やっぱりというかそうだろうなぁと怪獣ガレージファンは思われたことだろう。こんなものが売れるのか?という前に、これが造りたいから造ってしまおうという精神が好きだ。要さんの気持ちには一怪獣ファンとしてこれからも大いに応えたい。



彩色はベースにアクリルのタン(90%)+ブラウン(10%)を使った。ちょっと赤茶色が強過ぎるくらいで全身を覆い、次にタンのみを使って凸の部分を意識してエアブラシで色を吹きつけた。しっかり乾いたらエナメルのフラットブラウンを凹に沈め、メリハリを出していく。この辺りのさじ加減はお好みで。目には一切黒を使わなかった。本編をテレビに映し、スマホで撮った画像をよーく見てみると、縁がうっすらと青い。そこでアクリルのミッドナイトブルーを満遍なく塗り、その上からクリアブルーを乗せて深海の青を目指してみた。最後にアクリルのイエローFS(313)をエアブラシで吹き、色調を一段明るくしている。腹周りの黒い点も黒ではなくミッドナイトブルーを使った。おそらく二度と出会えないだろうクプクプ、精一杯親しみを込めて仕上げてみた。見ればみるほど愛着が湧く。つくづくMATは酷な事をしたものだと思う。













全長 重量 パーツ数 付属品
200mm 1300g 5点 なし
原型師      
森下 要