新マンのキットを作ってホームページにアップすると、思ってもみない反応が返ってくる。女子受けするのだ。「目が可愛い」。一番多く聞かれるのがこの言葉。怪獣に可愛いという表現はなんとも違和感を覚えるが、いたってそうなのである。それを念頭に置いてシーゴラスを見てみると、なるほど、黒目が大きいことがわかる。いや、シーゴラスだけじゃない。アーストロンもベムスターもオクスターもキングストロンも、みんな黒目が大きい。初期三部作やそれ以後のシリーズを見ても、これだけ黒目の大きいくりくりまなこの怪獣達はいない。至極納得。可愛いと言われるワケである。
さて、このシーゴラス、可愛さの中に強さ、雄々しさが見える。少ししゃがんだ視線の先には、愛おしい妻であるシーモンスの姿が見えるようだ。それもその筈、原型を造った浅川氏は、とある資料を元にこれを作った。僕も同じ資料を持っているので分かるのだが、確かにそこにはシーモンスがいる。なんとまぁ憎き演出だろう。これは近いうち、必ずやシーモンスが登場することをさりげなく予告しているとも取れる。皆さん、その時が来るのを坐して待とうではありませんか!
これだけカッコいい原型である。仮組みだけでも十分な迫力が伝わってくる。だが、今回はそれじゃあダメだ。なんせこのシーゴラスは浅川氏がリクエストに応えるようにして作ってくれたものだから。かくして、気合いを込めて塗り始めたが……手強い。全身を覆うサイのような皮膚、果たしてこれが何色なのかが分からない。いろいろな資料をひっくり返して調べたが、ある写真では黒っぽく、ある写真では青っぽく、中には紫色のようなものまであった。映像でも確かめてみたのだが、竜巻やら津波やらを起こして暴れ回る為にどうにもはっきりしない。そこで、黒っぽい青色を目指すことに決めた。ベースは黒、そこから茶色や青や緑を部分的に乗せ、単純にならないように何層ものグラデーションをかけた。こうして仕上がったシーゴラス。本編同様実に手強い相手で苦戦を強いられたが、仕上がりは気に入っている。ただ一つ、足りないものを除いて。浅川さん、シーモンスのこと、どうかよろしく頼みますよ!!
全長 |
重量 |
パーツ数 |
材質 |
340mm |
1400g |
17点 |
ウレタン樹脂 |
付属品 |
原型 |
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なし |
浅川 洋 |
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