ベムスターの攻撃に被弾したマットアロー1号。炎を吹上げて墜落して行く。機体が大地に叩き付けられる寸前、マットアロー1号はウルトラマンによって救われた。コクピットの中で意識を取り戻す加藤隊長。怪我の痛みに歪んだ表情が、一転、信じられないものを見たかのように大きく見開かれる。一度はベムスターの前に敗北したウルトラマンが、再びベムスターの前に降り立ったのだ。「ウルトラマンが……帰って来た………」。
加藤隊長は絞り出すように呟いた…………。
燃える話と言えばこの18話は外せない。冒頭、加藤隊長とマットステーションの梶キャプテンが楽しそうに交信している。二人が大学時代からの親友である事、来月、梶キャプテンに子供が生まれるという事など、さりげなくキーワードが散りばめられる。そしていきなりの緊急警報!突如マットステーションに飛来したベムスターが、エネルギーを吸収するどころか腹にある五角形の口でステーションごと飲み込んでしまう。シリーズ初の宇宙怪獣を表現する上で、この演出は圧倒的なインパクトを放っていた。一瞬にして親友を失ってしまった加藤隊長の哀しみは深く燃え盛り、強大なベムスターに弔い合戦をするべく出撃して行く。そう、これは男の友情の物語なのである―――。ベムスターもまたウルトラ怪獣の中ではよく知られた存在である。五角形をモチーフにモモンガが皮膜を広げたような恰好のベムスター。頭部の一本角、嘴、両手の鉤爪、尻尾の先端はすべて黄色で統一され、五角形の角の部分をワンポイントで飾るよう配色されている。そのせいで左右対象の美しく引き締まった怪獣となり得ている。原型は川岸氏、テロチルス、ステゴンに続いて帰って来たウルトラマン三体目がベムスターとなった。インストによると、帰って来たウルトラマンはほとんど知らないという事のようだが、そこはやはり川岸氏である。両手を広げて僅かに前傾姿勢を取ったベムスターが完璧に再現されている。体色は黒、相撲取りが付ける化粧回しのようなヒラヒラを青で塗装すると、ベムスターの強さがグッと引き立ってくると思うのだが、いかがだろうか。
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
155mm |
294g |
ウレタン樹脂 |
川岸 敬厳 |
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