第39話 『20世紀の雪男』より 雪男星人 バルダック星人
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:144
 

雪男。それは幻の生物………。だが、その存在を信じる学者とその婚約者は、雪深い長野の山奥に分け入っていた。ここには12年に一度、雪男が現れるという古い伝説があった。かくして雪男は現れる。狂喜して雪男を追う学者は婚約者を残して雪山に姿を消した―――。


忘れもしない―――。ナックル星人の卑劣な罠に掛かって坂田健とアキが殺された。幼い心に強烈なトラウマを残したあのエピード………。未だ呆然とした心を引きずったまま迎えた翌週、ブラウン管には奇妙な宇宙人の姿があった。お尻のような頭、釣上がった目、細く尖った嘴、そして手足の指先はナメタケのように細長くプルプルと震える。雪男とアヒルの組み合わせ………、バルダック星人を見た時、先週とは別の意味で呆然となった………。  
メジャーな怪獣や星人は誰が作ってもカッコいい。だから、マイナーなキットこそ力を注いでやらなければと、そういう思いでやってきた。バルダック星人も間違いなくマイナーであろう。多分この先キット化にも恵まれないと思う。そんなバルダック星人を造形したのはやはりこの人、杉浦氏。呆れるほど大きな頭部を支えるガッシリとした身体、自立するよう計算されたバランス、インパクトのある手足の指の開き具合など、新マン怪獣に対する愛情に溢れた氏ならではの作風である。  
さて、塗装なのだが、バルダック星人も白と黒の配色だ。この配色はシンプルな分、覚悟して掛からないと酷い目にあう………。上半身はベージュをベースにホワイト系でドライブラシ、頭のてっぺんには艶消しブラックを注意して吹いた。カラフルな模様はすべて手塗りで行った。下半身は艶消しブラックをベースにウッドブラウンなどブラウン系で明度を上げ、ホワイトでお腹の立てラインを吹いた。瞳は一気呵成に、いかにも小ズルそうなイメージが出るように頑張ってみた。


全高 全長 重量 原型
165mm 65mm 185g 杉浦 千里