第9話 『怪獣島SOS』より 古代怪獣 ダンガー
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:165
 

次郎の誕生日を一緒に過ごさせる為、本来なら郷のすべき任務を南が独断で引き受ける。それはニューヨークの本部から怪獣探知機(モンスターソナー)を日本に運ぶというものだった。その途中、南は暴風圏に巻き込まれ南太平洋上で消息不明となる………。無人島で資源調査に来ていた人達に助けられた南は、モンスターソナーの反応でここに怪獣がいる事を知る。怪我を押して怪獣を倒そうとする南だったが………。
MATの長兄ともいうべき南隊員のエピソード。彼の優しさと強さに溢れる好編である。



ライオンのたてがみをソーセージに見立てたと見るべきなのか、はたまたレゲエシンガーのヘアースタイルから触発されたと見るべきなのか、実にインパクトのあるダンガーのデザインである。あまりにもそこに目が行き過ぎて他の部分を忘れがちになるが、上顎から伸びた鋭い牙と手の平から突き出した一本爪、細いムチのようなしなやかな尻尾なども忘れてはならないダンガーの特徴である。
原型は新マン怪獣のほとんどを手掛ける杉浦氏が行った。体表の大皺・小皺の表現や、ぶら下がったこぶの表面処理など実に丁寧な仕事でこちらを唸らせてくれる。まずは両手、両足、尻尾をパテ埋めし、注意しながらサフ吹きを行った。折角の皮膚表現が潰れてしまってはいけないので、いつもよりも軽めに吹いた。塗装はさほど難しくはない。ベースにはたっぷりとブラックを吹きつけ、そこからブルー系、グレー系でブラッシングして明度を上げた。また砂埃が身体に付着したように見えるようサンドイエローでタッチを付けてある。最後に顔の周りにこぶを取り付けて完成である。だがこぶを付ける時につくづく思った。ダンガーはこのこぶがあるからカッコいい。これをウルトラマンから毟り取られた姿は………つくづく哀れだった。



全高 全長 重量 原型
175mm 205mm 270g 杉浦 千里