地底怪獣 グドン
第5話 『二大怪獣東京を襲撃』
第6話 『決戦!怪獣対マット』より  地底怪獣 グドン

VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:064
 

砂塵が舞う―――。マットジャイロで偵察中の南、上野両隊員が懸命に目を凝らす。だが、奥多摩の第二採石場一帯は一切の視界が効かないほど白く霞んでいた。その砂塵の中で蠢く巨大なもの…………。鋭い風切音、地響きのような唸り声。コクピットの中から上野隊員が叫ぶ。「怪獣だ!」。鞭のような両手をブンブンと振り回し、赤い眼で辺りを睨む凶暴な姿、地底怪獣グドンが長い眠りから目覚めたのだ。

地底怪獣 グドン

地底怪獣 グドン はっきり言って傑作である。第五話、第六話の前後編。帰って来たウルトラマンは開始早々、ウルトラ史に残る伝説の作品を世に送り出した。人間ドラマと特撮スペクタクルが絶妙に混ざり合い、最高のカタルシスを構築しながらラストに向って流れて行く。円谷プロがテレビという枠を完全に超えた瞬間がここにある―――。ウルトラQからウルトラセブンまで、忘れ難い名獣を数多く形にして来た造形家の高山良策氏。グドンとツインテール、そしてステゴンの三体は高山氏が手掛けた最後のウルトラ怪獣としても知られている。猫背気味に首を前に傾げたグドンのシルエット。その為にグドンは上目使いとなり、赤い瞳と相俟ってさらに獰猛さが強調されている。ミサイルは元よりMN爆弾という強力な攻撃を仕掛けてもビクともしないグドン。激しく炎上する夢の島、炎に照らし出されながら闇夜に咆えるグドンは身震いがするくらいかっこいいものだった。常食であるツインテールを黙らせる為、高々と持ち上げて地面に叩き伏すグドン。だが、ウルトラマンのスペシウム光線を横腹に受け、ついに爆発四散してしまった。鋼鉄の何倍も硬いといわれる皮膚でも、スペシウム光線は防げなかったようだ。
グドンの原型は畑中氏の作である。両手の鞭を大きく広げた立ちポーズに仕上がっている。鞭に刻まれた何層もの線や表皮の質感など流石の手際なのだが、若干身体の線が細すぎるような感じがして迫力薄なのが残念である。ちなみにグドンの瞳は単純に赤一色ではない。ちゃんと黒眼が備わっている。これからグドンを作ろうと思っている方、どうぞお忘れなきよう。

地底怪獣 グドン

全高 重量 材質 原型
185mm 170g ウレタン樹脂 畑中 正義