ウルトラマンエースを葬るという目的だけの為にヤプールに生み出された超人、エースキラー。ゴルゴダ星で貼り付けにされたウルトラ兄弟からエネルギーを奪い取り、兄弟が放つ必殺技を自由に使います。エースを倒す予行演習としてエースロボットと戦ったシーン、あれは相当のインパクトがありました。これでもかと言わんばかりの光線技の乱舞。膝を付き、崩れ落ちるエースロボットに容赦なく浴びせられるスペシウム光線やエメリウム光線を眺めながら、僕はふと鉄人28号の唄を思い出しました。
♪ 良いも悪いも リモコン次第 ♪
そう、必殺技に意思はなく、使う者によって良い方にも悪い方にもなるんです。なんだか新鮮であり、同時に愕然としました。
そんなエースキラーを造型したのはハイライトの岡悟氏。これまで沢山の造形物を生み出してきた岡氏ですが、やはり定評があるのはヒーローの造型でしょう。怪獣無法地帯モンスタークラシックスから発売された30cmサイズのティガとダイナは、今でも色褪せることなく人気ですし、ミラーマンやタロウ、ウルトラの母などもこだわりと美しさでは群を抜いています。そんな岡氏が放ったエースキラーは、ヒーロー造型で培われた人間体の美しさと、悪が放つ独特の色気に溢れています。あの場面通り、容赦ない攻撃を繰り返す冷血のエースキラーそのものです。
塗装は苦労しました。僕はヒーローを塗るのが苦手です。だって誤魔化しがきかないから……苦笑 怪獣なら多少色ムラがあろうとボケていようと、いくらでも隠せます。しかし、ウエットスーツ系はそうはいきません。正直、いつもとは違う力の入り方で疲れました。色は着ぐるみよりも数段トーンを落としています。ベースの赤、鎧のような金も何色も混ぜ合わせたものを使っています。要するに素直な色では塗らなかったということです。赤や金の鎧兜で飾り立てたローマ軍の出陣より戦闘後、泥と血と汗が混ざり合った禍々しい感じです。それが僕の中のエースキラーのイメージなんです。
全高 |
重量 |
全パーツ数 |
材質 |
340mm |
700g |
13点 |
ウレタン樹脂 |
付属品 |
原型 |
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目・タイマー(クリアパーツ) |
岡 悟 |
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