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古代怪獣 ゴモラU
第22話 『惑星が並ぶ日なにかが起こる』より 古代怪獣 ゴモラU
 


この怪獣をゴモラ二代目とはせず、あえてローマ数字で「U」と表した理由を想像してみる。初代ウルトラマン唯一の前・後編を飾ったゴモラは、あまたのウルトラ怪獣の中でも屈指の人気怪獣だ。そのゴモラを摸するとなると、デザイナーにはそれなりの覚悟がいるだろう。そこで、ゴモラのトレードマークたる頭の角、黒田長政の兜に着想を得たといわれる三日月を、上下逆さまにしてもう一本配置した。次に三日月角にある幾筋もの赤いライン。これもまたゴモラを語る上では外せないポイントだ。Uではこれをモザイク模様に仕立て上げた。そして、ゴモラの力強さを現す雄々しい胸ビレは、両手と下腹から尻尾へと伸ばした。これがデザイン上の大きな変更点である。これだけならば、まだ、辛うじて二代目と名乗る資格があるように思える。さて、問題はここからだ。ゴモラは一切の光線技などを使わずに、己の力のみでウルトラマンに土を付けた。戦い方は圧倒的なブルファイターであり、三日月角と強大な尻尾でウルトラマンを跳ね上げ、跳ね飛ばす。しかし、Uは違う。初代とは似てもにつかない戦いぶりを見せる。指先からはミサイルを乱射し、三日月角を振り上げては多種多様な光線を放つ。これには見ていて唖然とした。ゴモラとは名ばかりの、まるっきり別物の怪獣である。だから、正統派の二代目ではなく、別物としてのUなのか……。あくまでも私見だが、そうじゃなかろうかと推察した。
だからといって悪いというワケじゃない。別物として見れば、それはそれで楽しいものだ。このキットを造型したのは杉本氏。古くはボークスで、現在のGORTでは積極的にAやタロウ、レオなどの超獣、怪獣、星人を作られている。Q、マン、セブンとは違ってどれもゴテゴテで毒々しいのだが、それはそれで実に味わい深い。僕は大好きだ。さて、80怪獣までもがガレージキットで登場する運びとなった。ここから先、いよいよ平成怪獣が躍動するのだろうか。魅力的なヤツが数多くいるので、期待しながらその到来を待ちたいと思う。




全長 重量 全パーツ数 材質
200mm 500g 5点 ウレタン樹脂
付属品 原型    
なし 杉本 浩二