数年前の事だ。ネットでワンフェスの写真を眺めていたところ、いきなり懐かしい奴が現れた。金色に輝く全身と左右に分かれた銀色の頭、そこにデカイ目玉がギョロリ。
「これってキャプテンウルトラのメタリノームだ!」
ウルトラと名前が付いてはいるが、このキャプテンウルトラは東映が製作した作品で、円谷製作のウルトラシリーズとは全くの別物。……でも、子供にはそんなの全然関係なかった。再放送で流れる度に僕はキャプテンウルトラを観ていたし、冨田勲氏作曲の二種類あるテーマソングも大好きで、買って貰ったレコードは何度も繰り返し聴いた。しかしなんと言っても出て来る怪獣達が魅力的でたまらなかった。磁石怪獣ガルバン、幽霊怪獣キュドラ、合成怪獣バクトン、そしてこの金属人間メタリノーム。どんな話だったかは全く忘れてしまったが、メタリノームの印象だけは強烈に記憶に焼き付いている。
原型はイーグルCRAFTの南田哲郎氏。南田氏はメタリノームの他にアメゴンやシャモラー、ゴースラーなどのキャプテン怪獣を続々キット化されている。嬉しい限りだ。
塗装はそれほど難しくはない。それ以前に下地を整えるのに難儀した。そこはガレージキットの故ではあるのだが、さすがにこれはちょっと……と言うほど気泡が凄く、普通のパテと溶きパテを使って成型を試みたので、元々のモールドが若干甘くなってしまったのはなんとも残念だ。しかし、キットの出来自体は素晴らしく、どこから眺めてもあのメタリノームそのものである。(余談だが、「T2」で液体金属のオマワリさんが頭を割られるシーン、銀色の頭が左右に分かれたのを見て僕はメタリノームを思い出した)
特徴的な目の回りの赤い肉、憧れの塗り師であるヘルペインターの高橋氏を真似て、ブラウン、レッドブラウン、マルーンなどを筆で描き込みながら気持ち悪さを狙ってみた。写真では拾えてないが、見た目ちょっとグロな感じに仕上がって、嫁や娘が揃って「気持ち悪い」と評した。よし、少しは上手くいったという事だ。
全長 |
重量 |
材質 |
原型 |
325mm |
520g |
ウレタン樹脂 |
南田 哲郎 |
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